スペーシア海外レポート
気ままなドイツ旅行記
浅野 健
明治以降の近代化や都市計画などで日本が手本としてきた国ドイツ。東西ドイツの統一、EU統合、首都ベルリンの再開発など、近年はしばしば歴史の表舞台に登場する。観光面では有名なロマンチック街道や古城街道など、街をルート化してプロモーションしている。このような国ドイツを、昨年の九月末から十月初めにプライベートで訪れた。
きらりと光る小さな町
ドイツでは、日本の94%の面積の土地に、8,250万人と日本の3分の2の人々が暮らしている。百万都市はベルリン、バンブルク、ミュンヘンの三都市で、国際金融の中心でドイツの空の玄関口であるフランクフルトでも65万人と、大都市が少ないのが特徴である。逆にいえば、今回訪れたハイデルベルクやローテンブルクのように、歴史を大切にし小さくても魅力ある町が多いといえる。ちなみに、ドイツ観光局の昨年のテーマは「きらりと光る小さな町」であった。
観光しやすい国
ドイツの公共交通は、都市を中心に運輸連合があり、Uバーン(いわゆる地下鉄)、Sバーン(都市と郊外を結ぶ電車)、市電、バスなどを走らせている。これらの交通の切符は共通で、乗り換えも自由にできる。料金設定は日本のように出発駅からの距離で加算されるのではなく、都心から同心円状にゾーンで区分されるため、初めて訪れる場合でも利用しやすい。また、観光名所や観光バスには、携帯電話タイプや右下の写真のようにヘッドホンタイプなどの情報端末を使ったガイドがあり、日本語OKのところも多い。
ドイツのまちを歩いて・・・
ドイツのまちでは、露店で出された皿がプラスチック製でなくソフトクリームなどでよく使われるコーンだったり、ベビーカーを押している人(女性も男性も)をよく見かけたりする。端的にいえば、環境に配慮され、子育てのしやすい国というのが人々の日常からうかがえた。でも、一昔前の日本でも、自然素材の物を使ったり地域ぐるみで子どもを育てるなど、今のドイツと似たような暮らしを営んでいたような気がする。そんなことを考えさせてくれる魅力ある国だった。