スペーシアレポート

桑名市 まちづくりブック&まち歩きマップ
〜私たちが住むまちって、こんなとこだったんだ!〜

伊藤彩子

 「その手は桑名の焼き蛤」で知られる桑名市では、東海道宿駅制定及び現在の市街地の骨格を形成した「慶長の町割」から400年を迎えた2001年、『くわなルネッサンス』と題して様々なイベントを催した。このような中、弊社がお手伝いさせてもらっているのが、「まちづくりブックの制作」と「まち歩きマップ制作」である。恥ずかしながら仕事で関わるまで知らなかったことであるが、桑名は非常に多様な魅力を持つまちであり、そのためにこの二つの取り組みは困難さを抱えながらも、非常に熱心な参加者に支えられて内容を充実させつつある。
 
 「まちづくりブック」の出版は、市民にまちのよさを知ってもらい、まちづくりへの関心を持ってもらうことを狙いとしている。一昨年12月に、日頃様々な分野でまちづくり活動に関わる市民、学識経験者、市職員らで編集委員会を立ち上げ、これまでに9回の編集委員会を開催してきた。はじめは本の素材探しのため、祭りや市民活動など様々な分野のまちづくりに取り組む市民に対するインタビュー調査を重ね、素材がある程度集まってきたところで本の目次の検討を行い、おおまかな目次が見えてきたところで各項目に分かれて内容を考え始めている。「まちづくりブック」は伊勢市などでもつくられているが、桑名市での新しい試みは、ホームページとの連携をしようとしていることである。今は暫定的に弊社のURLを使って編集委員会のホームページを開設しており、インタビュー調査の内容などを掲載している。将来的にはこれを発展させ、まちづくりブックのホームページとする計画だ。

 「まち歩きマップ制作」は、「歩いて暮らせる街づくり」という取り組みの一環として行われているものであり、11月の休日の二日間を使ってワークショップが行われた。PR不足のためか参加者が少なかったのであるが、その代わり非常に密度の濃い内容になったと思う。参加者はスタッフも含めて"はまぐり"チームと"みず"チームに分かれ、1日目はマップづくりのための"作戦会議"、2日目は1日目の内容を踏まえて実際に街を歩いた。"はまぐり"チームは、しぐれ蛤の製造工程を見学させてもらったり、マンホールのデザインなど"まちで見つけたはまぐり"を探し、"みず"チームは漁港や堀跡、噴水など、水のある風景を訪ね歩いた。最終的には二つのテーマを融合させて"水の恵み"を集めた一枚のマップが印刷される予定である。この取り組みの成果は、"まちづくりブック"の中にも反映される予定だ。

 どちらも現在進行形であり、今後の踏ん張りが成否を分けると言える。市役所の方々や市民の方々と一緒に形にしていきたい。

しぐれ蛤の製造工程の見学



桑名港で貝を獲る舟をみる



マップづくりの話し合い

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