視察レポート
Report
アートの島=天王洲アイルと寺田倉庫
東京都品川区にある天王洲アイルにて、7人のアーティストによる壁画や写真展示、橋のライトアップを含む国内最大級のMURAL PROJECTがあるということで6月に見に行った。MURAL PROJECTのMURALとは壁画という意味があり、メインの展示は建物の壁に描かれたウォールアートだ。天王洲アイルは、水辺とアートをキーワードに賑わいと魅力あるまちづくりを推進している。7つの展示によって「アートの島=天王洲アイル」を印象付けるのが目的だ。
作品は遠くからみて、目を引くようなインパクトのある絵から建物のデザインに溶け込んでいるモダンな絵もあった。ウォールアートも天王洲を盛り上げているとは思うが、それよりも天王洲運河沿いにあるBoard Street とお洒落な店が並ぶBond Streetがこのエリアを盛り上げているように思えた。
天王洲アイルは1950年代に倉庫街として使われていた。この時に寺田倉庫という会社がこのエリアで倉庫を建てた。オフィス街、住宅街からは遠くてがらんとしていたと言われている。1980年代港周辺を中心に開発が進み、様々な娯楽スポットが誕生。1992年には東京モノレールの開通もあり、倉庫街から住める・働ける街に。このころから寺田倉庫が天王洲のまちづくりに関わりはじめるが、バブル崩壊後人々の足も遠のいてしまう。そこで1997年に寺田倉庫を使って、お洒落な高級アメリカンレストランT.Y.HARBOR BREWERYをオープン。様々な取組で天王洲の認知向上に貢献し、2013年にはTerra café Barがオープンした。「保存」をテーマに、商品を販売し、購入した商品はその場で食べることも可能。災害時には備蓄にもなる。
寺田倉庫は管理している倉庫・ストレージを活かして、天王洲の発展に大きく関わっている。人口の多いエリアの人々が色々なことに挑戦できるまち。天王洲カルチャーに惹かれてふらっとくる街にしたいのだとか。
アートの島としての地域の取組と地元企業のビジネスを活かしたまちづくりは、これからも天王洲の魅力へと繋がっていくと感じた。