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商店街がまちづくりの拠点に-沼垂テラス商店街・古町の商店街(新潟市)-

 少し前の話になるが、今年の7月に新潟市の2つの商店街、沼垂(ぬったり)テラス商店街と古町商店街を視察する機会を得た。
 沼垂テラス商店街は、新潟駅から新潟空港方面に向かう約1㎞ほどの所に位置する。元々お堀だったところを埋め立てて沼垂市場ができ、昭和40年頃から成果や日用品を扱う小さな市が立ち並んで賑わっていた。商店主の高齢化や、大型商業施設の建設による郊外化、モータリゼーションの影響により市場が衰退。数店を残しシャッター通りとなった。市場の向かいにある佐渡料理の店「たむら」の二代目・田村寛氏が、「たむら」の客も減り未来を考えて、旧沼垂市場の一角に2010年にルルックキッチン(惣菜店)をオープンさせた。2014年には、テナントの誘致と出店後の管理運営を行う株式会社テラスオフィスを設立し、同時に旧沼垂市場の建物を一括で買い上げた。1年かけて28店舗が揃う沼垂テラス商店街として始動した。沼垂テラス商店街では、沼垂名物・オリジナル商品の開発、セレクト雑貨店「ひとつぼし雑貨店」、コワーキングスペース開設、結婚式のプロデュースなども行っている。視察時には、テラスオフィスの方から説明を受け、商店街周辺の案内もしていただき、商店街周辺に対する熱い思いが感じられた。地域再生大賞・準大賞(2016年)やグッドデザイン賞(2017年)など数々の表彰も受けており、その評価も納得の商店街だった。
 古町は、かつて北前船の寄港地として栄えた新潟島内にある市の中心市街地で、複数の商店街が集積する。半日がかりで散策したが、築90年以上の元酒屋をリノベーションした「ヒッコリースリートラベラーズ」、築100年の建物をリノベーションした「百年長屋SAN」をはじめ、商店街沿いやその脇道にリノベーションによる様々な店舗が点在し、休日だったこともあり若い世代で賑わっていた。

 今年度はコロナ前のように”密もOKな”状態となり、若い人達が街に出かける光景をよく見かけるようになっている。今回2つの商店街を訪れ、商店が集積してきた歴史は伊達じゃなく、空き店舗でも工夫次第で街の交流拠点になりうることを改めて実感した。

沼垂テラス商店街の風景(奥に製紙工場の煙突がある風景)
沼垂テラス商店街の風景(奥に製紙工場の煙突がある風景)
沼垂テラス商店街の並び
沼垂テラス商店街の並び
沼垂テラス商店街のコワーキングスペース(2階)への入口の看板
沼垂テラス商店街のコワーキングスペース(2階)への入口の看板
古町の築90年以上の元酒屋をリノベーションした「ヒッコリースリートラベラーズ」
古町の築90年以上の元酒屋をリノベーションした「ヒッコリースリートラベラーズ」
古町の築100年の建物をリノベーションした「百年長屋SAN」
古町の築100年の建物をリノベーションした「百年長屋SAN」
(2023.11.24/浅野 健)

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