視察レポート
Report
掛川の空き家問題への取り組みと掛川城視察
コロナ禍でしばらくできなかったバスツアーが、2023年4月に愛知住まい・まちづくりコンサルタント協議会の主催で行われた。
前半は、NPO法人かけがわランド・バンクの理事長丸山勲氏による講演と現地見学が行われた。丸山氏は一級建築士で木造住宅の設計・施工を営んでいるが、「家余りのこの時代に、本当に新しい建築物がこんなに必要なのか?」という疑念を持ち、建築士の職能の範囲では空き家問題は解決できないため、友人・知人を中心に協力を仰いで設計、不動産、測量、会計、法律に関わる士業のネットワークを構築した。このネットワーク及び官民連携により、空き家活用の無料相談会、管理ができていない空き家の除却を手掛けてきた。商店街内の空きスペースにコワーキングスペースの開設したり、掛川城近くの物件を民泊+学生寮+地域交流スペースにリノベーションするなど空き家活用を行っている。かけがわランド・バンクの活動は空き家問題にとどまらず、ウォーカブルなまちづくりに向けた「かけがわストリートテラス」も掛川市や大学と連携して行ってきている。
後半は、3月に修復工事が終わったばかりの掛川城を視察。掛川観光ボランティアガイド「猫の手の会」の方の案内のもと、掛川城と周辺を2時間程案内していただいた。掛川城天守閣は、生涯学習都市宣言を掲げ、新幹線の掛川駅開設に尽力した榛村純一元市長のもとで、1994年に木造で再建された。掛川城の二の丸御殿は、江戸時代後期に再建されて現存している。掛川城に隣接する市立図書館は木造で建設されるなど、城下町周辺は和の文化を感じされる雰囲気が残る魅力的なスポットだ。
名古屋からのバスツアーでも無理なく往復でき、機会があればまた立ち寄ってみたい。
(2023.5.18/浅野 健)