視察レポート
Report
ぶらっと五個荘まちあるき
京都登文会の塚本会長から毎年ご案内いただいていたが、なかなか都合があわず、今回が初参加。現地で「中止」の貼り紙に驚いたが、例年実施されている近江商人時代絵巻行列やマルシェ等が中止ということで、今年は密にならないよう静かに開催。公開施設が無料開放で、いろいろな展示もされており、五個荘らしさを味わうにはちょうどいい感じであった。
塚本会長の実家は普段は使用されていない非公開施設であるが、毎年この日には公開されており家族の方がおもてなしされている。愛知登文会の視察で1度案内していただいたことがあったが、今回は息子さんに案内いただき、改めて古民家の魅力とそこから眺める庭の風景を堪能するとともに、これだけの文化財を保存していくことの大変さを感じた。
普段公開されている古民家(近江商人屋敷)は5つある。その1つが普段も無料で入館できる金堂まちなみ保存交流館である。五個荘金堂地区は平成10 年に重要伝統的建造物群保存地区に選定されているが、その3年前に金堂町並保存会が発足、平成21年度より、長らく空き家となっていた中江家(「三中井百貨店」を経営する大資本家であった)を活用し「金堂まちなみ保存交流館」を開館。NPO法人金堂まちなみ保存会(金堂町並保存会が平成20年度に法人化)が中心となり、伝統的建造物保存地区の紹介や地域住民の交流の場として活用している。
残り4つは普段は有料で、うち3つは重伝建地区内にある。1つは地区外で少し離れたところにあり、以前ここを訪問した際には立ち寄らなかったところだが、その敷地の大きさに驚いた。洋館の建物は県指定文化財となっており、いろいろな映画のロケにも利用されている。歩くと少し距離があるが、歩くだけの価値がある屋敷だ。これら4つの建物では、それぞれ特徴ある展示が行われており、どれも興味深い。他にも東近江市近江商人博物館や観峰館での展示、弘誓寺での絵画展など見どころは多い・・・と少し陳腐なレポートとなってしまったが、秋の1日を有意義に過ごすことができた。毎年9月の最終日曜日に実施されるようだが、近江商人時代絵巻行列の様子もみてみたいものだ。