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瑞穂公園の整備
瑞穂公園は、名古屋を代表する総面積約24haの都市公園で、陸上競技場、ラグビー場、野球場、テニスコート、体育館、宿泊研修施設等の多様な施設を有する。そして何と言ってもJリーグの名古屋グランパスのホームである。陸上競技場が2026年に開催される第20回アジア競技大会のメイン会場になる予定で、陸上競技場の再整備を含め公園全体をPFI方式により、整備を目指す方針が名古屋市から示されている。先日、瑞穂公園の整備の考え方を披露するシンポジウムが予定されていたが、新型コロナウイルス対策のため、無観客で映像収録を行うこととなった。
まず、名古屋工業大学准教授の伊藤孝紀氏が「まちを元気にするスタジアムのある公園デザイン」と題し、海外の事例を交えながら、瑞穂公園が「やさしさ」に溢れる名古屋・日本のシンボルとなり、「つながり」をキーワードに街も人々もつながる仕掛け、ソフト・ハードのデザインが重要だとお話された。
続いて、名古屋市教育委員会の方から、瑞穂公園マスタープラン(案)についての説明があった。スポーツの拠点としての「スポーツによるにぎわいの創出」だけでなく、施設周りの広場や宿泊研修施設を使った「市民交流・憩いの場」、公園と山崎川の緑・水といった「自然環境の保全と活用」、国指定史跡の大曲輪貝塚など園内に点在する遺跡といった「名古屋の歴史の始まりにふれる」などの整備の方向性が示された。
そして、市民活動支援の経験豊富なNPO法人岡崎まち育てセンター・りたの三矢勝司氏が「まちが元気になる公園の使い方」と題し、岡崎市における活動事例を交えて公園運営における市民参加の可能性についてお話された。
後半のパネルディスカッションでは、伊藤先生、三矢先生とお2人により、PFI方式を導入する中で企業による運営に対し、いかにして行政の思いや市民参加を取り入れていくか、そして街とのつながりを考えていくか、示唆に富んだお話を聞くことができた。それを、名古屋市教育委員会の方が受け止める形で、熱い思いを語って締めくくった。
お2人の示唆に富んだお話はとても勉強になるとともに、瑞穂公園が単にスポーツだけでなく、憩い、水・緑、歴史文化などを活かしたまちづくりとして多面的なポテンシャルを有していることは、今更ながら新たな発見であった。今後も注目していきたいプロジェクトである。
- 瑞穂公園シンポジウム(動画公開ページ)
http://www.city.nagoya.jp/kyoiku/page/0000126767.html