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進化する犬山城下町
愛知県は、伊勢湾・三河湾といった海に面したエリアを中心に一部観光・レクリエーションのスポットはあるものの、観光に対する印象は薄く、代わりに産業・ものづくりの県の印象が強い。その中において、犬山城下町は観光スポットとして近年急成長を遂げたエリアと言える。国宝犬山城の眼下に広がり、土日には多くの観光客が訪れるスポットとなっており、Go to トラベルの対象地域に東京が加わる前の週末にも多くの集客があった。
愛知県の自治体の中では、早くから歴史まちづくりに着手し、過去にも弊社の記事で紹介しているが、犬山城下町の眼下にある本町通りでは行政が都市計画道路を廃止して歴史的町並みを保全したことと、「犬山まちづくり株式会社」の活動によって空き店舗活用が進み、活性化イベントが定期的に開催されるなどによりにぎわいを取り戻している。
最近では社会基盤整備総合交付金等をうまく活用し、犬山城の麓にあった老朽化した旧体育館を郊外に移転して修景整備をされたことにより、以前は旧体育館が邪魔していて城下町から見ることが困難だった木曽川への視界が開けていた。さらに、本町通りの景観で長年阻害要因になっていた福祉会館の取り壊し工事がついに始まり、今年度中に解体される。福祉会館の解体後は跡地で調査が行われ、史跡の追加申請が予定されている。
今度訪れる時には福祉会館も撤去され、さらに進化する犬山城下町の歴史景観が見られることだろう。
関連HP「徒然随筆「愛知県における町並みと保存運動01(犬山市本町通)」
https://www.spacia.co.jp/Topic/column/tsurezure/15inuyama/index.html
(2020.10.9/浅野 健)