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熱田湊のまちづくり
熱田神宮周辺は、神社仏閣や名古屋名物の老舗が集積し、観光や歴史まちづくり、堀川の水上交通等で名古屋市が力を入れているエリアの一つである。熱田神宮から南側に位置する「熱田湊」を対象として、2019年に地元の白鳥学区連絡協議会が母体となってまちづくり協議会を組織し活動をスタートさせた。
「熱田湊」と言っても現在は国道1号や247号といった広幅員の幹線道路により熱田神宮と分断されているため一見わかりづらいが、かつては熱田神宮の「表参道」に位置し、旧東海道の53次の中でも特に反映した「宮宿」や唯一の海路「宮の渡し(七里の渡し)」があり、県内随一の魚問屋街や魚市場が形成されていたこともあるなど門前町・湊町として繁栄した。今でも宮の渡し公園と丹羽家住宅・熱田荘(旧魚半)・旧魚半別邸といった歴史的建造物が立地するあたりには、反映していた当時の面影が残る。
このような地域資源を活かし、まちづくり協議会では観光まちづくりに力を入れ、近年の調査でその様子がわかってきた東浜御殿・西浜御殿の両御殿についてCGを作成した。さらに2020・2021年度の2か年に渡って名古屋市の地域まちづくり活動助成の支援を受け、住民アンケートを実施し、アンケートの結果を踏まえて熱田湊まちづくりビジョンを作成した。この過程で、会の名称を当初の「宮の渡し・大瀬子地区まちづくり協議会」から現在の「熱田湊まちづくり協議会」と改称し、まちづくりビジョンでは「湊まちづくり」をまちの将来像に掲げるなど「熱田湊のまちづくり」を活動の柱にしっかりと位置付けた。
名古屋市の場合、自治会活動や行政との連携は小学区単位の組織である学区連絡協議会を中心に行われているが、行政から委嘱される仕事をこなすことで精一杯という団体が多い。そうした中で、地元が主体的に地域まちづくり活動を行うために、学区連絡協議会の役員を核にNPOや民間事業者も参画するまちづくり協議会を組織するケースは市内でも珍しい。これらの熱意のある方々により、まちづくりビジョンを元にした活動の継続が期待される。