スペーシアメールマガジン

Mail Magazine

第468号(2018.7.6)

スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定)   □[第468号]2017/7/6□  □配信数 730□

スペーシア・メールマガジンの第468号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。

<内容・目次>
 ◆住まい・まちづくりコラム◆
 ・次世代モビリティ社会について
 ◆視察レポート◆
 ・小江戸・川越の道路空間に思う
 ◆読者の声◆
 ◆スペーシアのこの頃◆

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◆住まい・まちづくりコラム◆
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○次世代モビリティ社会について○

 自動車産業、交通分野においては100年に一度の大変革期、インダストリー4.0とも
言われる大胆な技術革新によって新たな未来が切り開かれつつある。代表的なキーワードが
「MaaS」や「CASE」である。
 MaaS(マース)とは、Mobility as a Serviceの頭文字をとったもので、移動のサービス化を
意味する。これまでは車=モノを所有しての移動が主だったが、これからはICTを活用して、
鉄道、バス、タクシー、ライドシェア、カーシェア、サイクルシェアなどの多様な移動手段の
中から目的地までの最適な(シームレスな)組み合わせをサービスとして提供し、それを
利用して移動するというものである。フィンランドではすでにその組み合わせを提供する
アプリが開発され、サービスが実用化されている。日本でも様々な事業者がMaaS実現を
狙っている。
 次にCASE(ケース)であるが、これはConnected(つながる、通信)、Autonomous
(自動運転)、Shared(シェア)、Electric(電動)という最先端技術の頭文字をとった言葉
である。自動運転が世界各地で実証運転され、注目が集まっているが、ほかのC、S、Eを
一体とすることで、モビリティ社会はさらに大きく変わる。例えば、車は当然所有せず、
移動したいときに無人の自動運転車が迎えに来てくれ、通信で渋滞も事故もなく、信号も
不要なまちが可能になる。移動中も運転しなくていいので、例えば寝ることや仕事も
できてしまう。効率的な車利用が可能になれば、まちから道路空間や駐車場を減らす
こともできる。いろいろな未来が描けるのだ。
 この6月に「官民・ITS構想ロードマップ2018」が公表された。そこでは、2020年までに
限定地域での無人自動運転(レベル4)の実現、物流トラックの高速道路での無人隊列
運転の実現が掲げられている。もう目と鼻の先に自動運転社会が待っている。その先には
さらなる新しいモビリティ社会が待っている。そのときにまちがどう変わるのか、興味が
あるが、それについてはまだまだ様々な議論が飛び交い、定まっていない。ただモビリティ側
からの議論が多いように感じる。一方でまち側の視点からも、これらのモビリティ技術を
使ってどのようなまちをつくっていくのが望ましいのか、目指す未来を提言していくことが
求められているのではないだろうか。
(櫻井高志)

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◆視察レポート◆ -まちづくりに参考になるものを紹介-
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○小江戸・川越の道路空間に思う○

 少し前の話だが、東京出張のついでに小江戸・川越を訪れた。川越は東京都心から
1時間圏内にある重要伝統的建造物群保存地区で、明治26年(1893)の大火後に
商人達が防火性の高い蔵造りを取り入れ、重厚な蔵造りの商家と大正以降の近代
洋風建築も含んで独特な歴史景観が形成されている。毎年10月に行われる川越氷川祭の
山車行事は、2016年にユネスコ無形文化遺産に登録され、周辺には23両の山車がある。
来訪者向けのお店も建ち並び、平日の昼間ながら多くの観光客が多く訪れていた。
 ここまでは川越の簡単な観光情報だが、現地を訪れて気になったのは道路空間である。
片側一車線の道路と両端の歩行者空間は舗装で区別しているだけで、歩道のマウントアップも
ガードレールのような防護柵も全く設置されていない。自動車の通過交通量が多く、
一見すると歩行者のすぐ横を自動車が通過するので事故にならないか心配だが、よく
観察してみると南北約430メートルのメインストリートの中央あたりに押しボタン式信号があり、
ここの信号がよく変わって歩行者が横断するため、すぐに自動車が渋滞の列をつくるように
なる。結局、自動車はあまりスピードを出せず、歩行者も比較的安心して通過することが
できる。このような空間に似た例としては、以前にこのメールマガジンで紹介した京都・姉小路
界隈にも見られる。姉小路では、生活道路で歩行者と自転車空間を生み出すために
路側帯の幅を広げて自動車の通行帯を狭くしている。
  愛知・名古屋では、「名古屋走り」「三河走り」と言われるくらいドライバーのマナーの問題も
あって、このような道路空間の整備に今すぐ踏み切るのは難しいだろうが、市街地も歴史的な
町並みも、歩行者中心の道路空間に戻す時期にそろそろ踏み切るべきだと思っている。
(浅野健)

(参考)京都・姉小路界隈のまちづくり
http://www.spacia.co.jp/Mati/sisatu/2016/kyotoaneyakouji/

→ホームページに写真を掲載しています。
http://www.spacia.co.jp/Mati/sisatu/2018/kawagoe/

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◆読者の声◆ -みなさんからいただいた感想や意見を紹介-
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)

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◆スペーシアのこの頃◆ -所内の話題をちょっと紹介-
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