住まいまちづくりコラム
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全国登文会 フェスタ&総会
国登録有形文化財全国所有者の会(全国登文会)による全国登文会フェスタ及び総会が大阪船場で開催された。愛知登文会が大成建設自然・歴史環境の助成を受けて全国登文会フェスタを名古屋で開催したのが4年前。その日に全国登文会が設立され、各地の所有者の会が一同に会し交流する場として。毎年フェスタを開催しようということになっていたが、コロナ禍のために開催できず、実に4年ぶりの開催ということになった。
登文会フェスタは見学会、シンポジウム、懇親会の3部構成。金曜日の午前中に2コースの見学会が開催され、私はBコースの富田林のまち歩きに参加した。富田林は大阪阿倍野橋から30分程度。駅から直近のところに重要伝統的建造物群保存地区の寺内町がある。三方が河岸段丘で堀は北面のみ(現在は埋め立て)という地形も興味深い。元市職員のガイドさんの詳しい案内で興味深くまちを歩くことができた。町屋を飲食店としているところもいくつかあり、その1つで昼食を楽しんだ。
午後は大阪市中央公会堂の会議室でシンポジウム。中之島のシンボルともいえる重厚な重要文化財の建造物。外観は何度も見ていたが中に入るのは初めてだった。全国9つの登文会のうち8つから代表者が集まり、一般の方も交えて登録有形文化財の保存・活用について意見交換を行った。
懇親会は土佐堀川に臨むテラスのある店で夜景を楽しみながら各地からの参加者と交流を深めた。
翌土曜日の午前中は関西大学の橋寺先生の案内による船場のまち歩き。船場はイケフェス大阪(生きた建築ミュージアムフェスティバル大阪)のメイン会場となる場所で歴史ある近代建築が集中している。過去に2回イケフェス大阪に参加し、自由見学した建物も解説を聞きながら見て回ると味わい深い。まち歩きの最後が全国登文会の総会会場となる綿業会館。重要文化財の豪奢な建物で、イケフェス大阪ではガイドツアー(抽選)でないと入ることができず、見学するのは初めて。大阪財界人のすごさを感じさせる建物だ。この建物の会議室で総会を開催。7/1に10番目の所有者の会として設立総会が予定されている滋賀県からも参加があった。また、両日を通じて京都に移転したばかりの文化庁からも3名の参加があった。愛知からは7名が参加した。
コロナ禍で活動が止まっていた感じだが、ようやくコロナ騒動も落ち着きを取り戻し、千葉や新潟でも登文会設立の動きがあるという。各地の登文会が経験交流しながら、各地で保存活用に係る取組を進めるとともに、全国登文会が各地での動きを支援し、国や企業にも認められる組織として存在感を高めていくことを期待したい。