住まいまちづくりコラム
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令和を迎え防災から減災へ
昨年2019年は、平成から令和へと年号が変わって皇位継承が行われ、新しい時代の幕開けとなる一年だった。その一方で、台風19号をはじめとした度重なる豪雨水害により日本各地で多大な被害が起こった一年でもあった。台風19号が通過した翌日に岐阜県と隣接する長野県を訪れた時には、各所で水害の爪痕が残り、その後の復旧が長期化している所も見られた。昨年は愛知・岐阜周辺のエリアへの影響は少なかったものの、ふり返ってみれば2011年9月の台風15号による暴風雨で郊外の公共交通がマヒしたり、2017年7月の局所豪雨で一時的に公共交通の遅れに遭遇するなど、こうした水害は近年何回も起こっている。地震についても、2016年4月の熊本地震、2018年6月の大阪北部地震などの震災により多大な被害が出たことが記憶に新しい。
2019年は、戦後最大級の死者数出した伊勢湾台風から60周年でもあった。そして2020年1月は、阪神・淡路大震災から25年と節目の年である。伊勢湾台風の経験から治水対策や地域における情報伝達の仕組みが構築され、阪神・淡路大震災の経験からボランティア・NPO活動の制度化が進むなど、過去の大災害の経験から様々な対策が行われてきた。それでもなお、想定を超える災害が全国各地で起こっている。
令和を迎え、「防災」の考え方に基づき大規模な堤防、雨水貯留の対策、防潮堤をはじめとしたハード整備をするだけでは追い付かず、いざという時の被害を想定して最小限に食い止める「減災」の考え方で本格的に取り組む必要が出てきたと実感している今日この頃である。
(2020.1.17)