住まいまちづくりコラム
Columun
- HOME
- 住まいまちづくりコラム
- 旧街道歩きの魅力
旧街道歩きの魅力
旧街道を歩いている。五街道は、旧東海道、旧中山道、旧甲州街道を完歩し、旧日光街道に挑戦中。その他東海エリアの旧街道もいくつか歩いた。
基本は日帰りで鉄道を使い現地に赴き、20~30キロ歩き鉄道で帰ってくる。旧東海道(53次) は21日(1泊)、旧中山道は23日(4泊)。昔の人は2週間程度で歩いたと言うので、1.5倍ぐらいかかっている。拡幅された道を延々と歩かざるを得ない時には、なぜこんなことをしているんだろうと思ってしまうが、旧街道歩きの魅力と感じているものをあげてみたい。
1)魅力的な風景
緩やかにカープし、先の見えない狭い道が好きだ。その先でどんな風景に出会えるのだろうかと思うとワクワクする。そこに昔ながらの家並みと立派な木が見えていると最高だ。
峠越えは旧街道歩きの醍醐味とも言える。ウォーキングコースとして設定されているところも多い。石畳の続く箱根峠、富士山を望むなど薩埵峠などは歩いていても楽しい。一方で、登りがキツくノロノロ歩きしかできない和田峠のようなところもあるが。
気に入った風景を写真に撮る。パソコンのロック画面でその写真がスライドショーで流れてくる。思わず写真に見とれてしまうこともある。AIは良い写真を選んでくれるものだ。
2)思いがけない出会い
最近は建物を見学させてくれるところが増えた。飲食店として活用されているものも。登録有形文化財のプレートも結構見かける。あの建物は登録かもと思って近づき、プレートを発見すると「やっぱり」と納得する。建物を見る目が肥えた気がする。
旧街道沿いには社寺多い。すべて立ち寄ることはできないが、何気に立ち寄った社寺で思わぬお宝に出会うことがある。新しい発見をした気分にもなる。観光名所ではない社寺で御朱印を記入してくれるのも嬉しい。珍しい御朱印として自慢したくもなる。
旧甲州街道を歩いていて山梨県立美術館に遭遇した。ミレーの作品が収蔵されており、一度は訪れてみたいと思っていた美術館だったが、ここで出会わなければ訪れることはなかったに違いない。こんな出会いも楽しい。
3)つながるまち
仕事や視察でいろいろなまちを訪れることが多いが、それらが街道によって結ばれていることを実感する。大浜、高浜、刈谷、知立は大浜街道で、内海、奥田、常滑、大野町は常滑街道で。バラバラに理解していたまちが、つながることでより機会が深まったように感じるのは気のせいだろうか。
4)スマホの活用
旧街道歩きに便利なサイトが日本の旧街道の地図だ。現在地がGPSで表示されるので確認しながら歩ける。私の場合は確認するの忘れ、間違ってしまうことも多いのだが。
Googleフォトを利用するとヒートマップで写真の位置を示してくれる。色でどこが面白かったかが一目瞭然だ。
最近使い始めたのがスーパー地形。歩いたトラックの軌跡がいろんな地図上に表示できる。旧街道歩きの場合は今昔マップと重ねると歴史を感じることができる。歩いたルートが増えていくのは単純に嬉しい。
スマホを使いこなしていない時に歩いたところをもう一度歩いてみたくなる。スマホが旧街道歩きの楽しみを増してくれる。旧街道歩きには欠かせないツールと言えるだろう。
(2023.3.13/石田富男)