住まいまちづくりコラム

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人生100年時代に誰もが自分らしく豊かに生きるには

  621日・22日に豊田市で第24回男女共同参画全国都市会議が開催された。人々の生き方や社会がこれまでの常識とは大きく異なってくることが予想される「人生100年時代、私たちはどんな選択をし、どう行動すれば良いのか?」。男女共同参画社会の更なる進展のカギとなるこのテーマのヒントを講演と4つの分科会を通じて発信するという内容だった。初日に参加した私は、記念講演においてサイボウズ株式会社の社長青野慶久氏がお話された次世代のワークスタイルについて興味をもった。

  青野氏は総務省、厚労省、経産省、内閣府、内閣官房の働き方変革プロジェクトの外部アドバイザーも務めている。

  サイボウズ社の人事制度の方針は、100人いれば、100通りの人事制度があるというものだ。従業員一人ひとりの個性が異なることを前提に、それぞれが望む働き方や報酬が実現されればよいという考え方だ。実際に、サイボウズ社の社員は様々なワークスタイルをもち、ほとんど在宅勤務で月に数回しか出社しない社員や、朝は在宅勤務で昼から出社する社員、パリで在宅勤務する社員など、そして社長自らも16時には退社し子どものお迎えに向かうそうだ。青野氏は、「育児から社会を学ぶので、育児をしていない人が多くいる会社には負けない自信があります。」と言った。また、情報の共有化で、仕事を最後まで同じ人でやり通しがちな営業部門でも、他の部門の社員からアドバイスを受けて効率的になったり、他の社員が営業を引き継ぐことができるなど、「個人戦」から「チーム戦」で働くための制度、ツール、風土を作ることが重要であり、いま日本に必要なパラダイムシフトは「一様な人作り」から「多様な個性を活かす」ことだと述べた。その結果、離職率が28%から5%未満に低下し、売り上げは2倍を超えるまでに成長、産休後の復帰率100%、女性社員比率が約4割を占めるなど、大きな成果がみられた。

  「男女共同参画」というと、異なる性が助け合い、平等に生きるというイメージだが、「個人」が自分の個性を活かして働けること、そして会社も個人のライフスタイルに応じることで会社の利益にもつながり、個人も幸せに生きることができ、その結果の一例として夫婦の助け合いや「男女共同参画」が成り立つということを学んだ。今回の講演により、今後の人生の中で個人がどんな選択・行動をすれば良いか、大きなヒントを得た。

 

第24回男女共同参画全国都市会議
第24回男女共同参画全国都市会議
(2019.8.7/神谷佐菜)

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