特集  都心ナゴヤに負けない地域の力

頑張ってる!
ぎふまちづくりセンター

山内 豊佳

JR岐阜駅前問屋街、柳ケ瀬商店街地区など、岐阜市には再開発のお手伝いでかれこれ7年通わせて頂いている。岐阜といえば繊維、柳ケ瀬、鵜飼…これまで岐阜の代名詞であったものが衰退し、ご多分にもれず危惧感は否めない。ただ、長くおつきあいさせて頂いて、私は、岐阜人にはどこか自流にこだわるプライドのようなものも感じている。それは信長的な革新気質にも繋がるのではと密かに思っている。岐阜のまちづくりセンターもその1つかもしれない。
 「ぎふまちづくりセンター」は十六銀行・岐阜大学産学連携による地域活性化研究会が主体となり、岐阜圏域の活性化が抱える構造的問題の解決策として、提案された「民」「産」「学」「官」のコラボレーションによる民主導型の開放組織である。持続力のある地域活性化の方途を提案する実践的な組織として2001年柳ケ瀬に開設された。活動内容は、月1回の会報誌による「情報提供」、まちづくり活動に関する「相談コーディネート」、サロンやワークショップ形式の「学習会」、シンポジウム・フォーラム等を開催する「提案活動」、ブックレットの「出版活動」、そして各種の「事業受託」である。運営費は商工会議所からの負担金や、十六銀行からの家賃寄付を受けているものの、個人・法人の2種類の会費を中心に賄われている。昨年度からは活動内容にある「事業受託」での収入も確実に大きくなっている。
 開設から2年半、ぎふまちづくりセンターの昼間来訪者数は、初年度から比べて2.5倍にふくらみ、平成14年度のデータを見ると、その来訪内容のトップは「相談」となっている。各事業活動費の工面方法、人材探し、会場探し、意識調査の方法、行政とのコラボレートの仕方、経営相談などなど、まさに「まち」のお助け役である。小学校長でもあった事務局長の穏やかな人柄も一役買って、今では「まちづくりセンターに相談すれば何とかなる」というイメージがすでにあるのだという。会員数も月々着実に伸びているが、ここでは行政職員も一個人として登録している。教授連の知識、行政や企業の情報、自治体のネットワーク、学生たちのアイデアなど、会員同士、研究会同士が、それまで高かった互いの敷居を越え、混ざりあいながら交流しているのである。

和田浅冶さん
「"希望の道"が見えてきた」と語る和田浅冶さん
さて、開催されているサロンやワークショップは、実に多岐にわたるが、ここに「祭GIFU百人衆」という活動で若者を巻き込んだまちづくりを実践されてきた和田浅冶さんという方がいる。まちづくりセンターの活動に共感し、現在、まちづくり団体と地縁者をつなぐ「まちづくり団体交流会」や岐阜の誇りを選定する「岐阜三十六景」、中心市街地をベンチャー活動の拠点にする「一円一縁起業家研究会」、空き店舗の再利用を市民の手で実施する「空き店舗活用研究会」など、いくつかの研究会をセンター内で動かしている。氏は、これまで数々のまちづくりイベントを成功させながらも、それらが一過性であり、地域に根ざした人との連携は図れないという悩みを常に抱えていた。しかし、まちづくりセンターのおかげで、今では祭りなどを通して地縁者の応援ができるようになり、また、バラバラとした各団体の活動が、横の繋がりをもつことによって岐阜活性への"希望の道"が見えてきたとも言われた。希望!これこそ中間組織としての役割を担う、まちづくりセンターの立派な成果ではないかとおもう。

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