視察レポート
Report
シェアサイクル・レポート5 金沢市公共レンタサイクル「まちのり」
レポート第5弾は金沢市。第4弾の富山市からの帰りにこれに乗ってみるために立ち寄った。2014年に家族旅行で金沢を訪問していたのだが、その時は乗り逃していたからだ。ここは建設コンサルタントが運営事業者として関わっているという点で以前から注目していた事例でもある。
金沢市では「自転車を安全・快適に利用できるまち・金沢」を目指して「自転車利用向上計画」を2011.3に策定。4つの基本方針の1つ「つかう」としてあげられているのが金沢市公共レンタサイクル「まちのり」である。2010.8~10の61日間社会実験が行われ、2011年には本格実施にむけたプロポーザルが行われ、(株)日本海コンサルタントを運営事業者に決定、2012.3.24正式サービスを開始。協定期間は2019年度末まで
料金体系はシクロシティ富山と同様、基本料金(1日200円、1ヶ月1000円、1年9000円)で30分以内は無料。追加料金は30分ごとに200円だ。クレジット決済であれば登録はサイクルポートで可能。ICカードを登録すればそれでロックを開錠できる。シクロシティ富山と比べるとかなり便利だ。
サイクルポートは当初18か所であったが、現在は22か所。
2016年度までの実績が市のホームページに掲載されており、2016年度には72,344人が214,770回利用したと報告されている。北陸新幹線金沢駅開業で大幅に増加したとのことだが、2017年度は60,718人179,260回の利用に留まり、2018年10月の全国シェアサイクル会議では見えてきた課題として、「運営経費の増大」「機器類の老朽化」「料金体系」「市民利用の伸び悩み」が報告されている。
導入当時とくらべ、シェアサイクルを取り巻く状況が大きく変わり、公共では導入自治体が増加し、政令市等では行政負担ゼロでの実証実験も行われているという。民間ではベンチャー企業等が参入し、完全民営で実施するビジネスモデルも登場している。このような中で金沢では、民間の活力やノウハウを生かした運営としつつも、景観や交通施策等市のまちづくり方針に沿った事業となるよう、市も一定の財政負担を行う公設民営を維持するとしている。まちのりの次の展開がどうなるか、注目していきたい。
導入当時とくらべ、シェアサイクルを取り巻く状況が大きく変わり、公共では導入自治体が増加し、政令市等では行政負担ゼロでの実証実験も行われているという。民間ではベンチャー企業等が参入し、完全民営で実施するビジネスモデルも登場している。このような中で金沢では、民間の活力やノウハウを生かした運営としつつも、景観や交通施策等市のまちづくり方針に沿った事業となるよう、市も一定の財政負担を行う公設民営を維持するとしている。まちのりの次の展開がどうなるか、注目していきたい。
(2019.5.3/石田富男)