視察レポート
Report
奈良県橿原市の複合施設・ミグランス視察
4月19日(金曜日)にまちなかにおける市有地活用のあり方として進んでいる奈良県橿原市分庁舎ミグランスに視察する機会があった。ミグランスは昨年完成した、橿原市役所分庁舎を中心とした宿泊・飲食・会議室を含む複合施設だ。全10階建ての建物の中には、1階~3階まで市役所の機能がありつつも、奈良食堂という地産地消のレストランや無料で古代衣装体験をしながら大和三山を一望できる展望台、そして部屋・露天風呂から見える景色が綺麗なカンデオホテルなどがある。
ミグランスは、資金調達や建設、運営のノウハウを活用するため、PFI事業を採用した。市とSPC(特別目的会社)が契約を締結し、設計・工事監理・建設・維持管理・運営を行う。事業者の収入としては、市からのサービス購入料(施設整備費、維持管理・運営費等)と独立採算事業による収入(宿泊施設の利用料金、飲食物販提供等)がある。
市からの様々な要求や事業者が負担する施設賃料等もあり、メリットはあるのかと疑問に思うが、事業者側には市からのサービス購入料(施設整備費・維持管理・運営費)と独立採算事業による収入があり、20年間の長いスパンで安定的な収入があることは非常に大きなメリットだという。ミグランスの中に設置されたカンデオホテルズも当初の目標より稼働率がよく、客のほとんどがリピーターであり、3月末からは海外の個人客も増えているという。
私もミグランス1階にある奈良食堂でお昼をとったが、明るい雰囲気の地産地消のレストランでお客さんも多く、わいわいと賑わっていた。市民や地域のニーズに応じて建設されてきた公共施設の老朽化、大規模な改修や建て替えの必要性が見込まれるところが多いなか、ミグランスのように建て替えを機に街の賑わいや観光に貢献する施設に生まれ変わるようなことが増えればいいなと思った。