名古屋市内において商店街を公募し、選定された商店街をリノベーションの手法による空き店舗の活用を支援する「商店街商業再生機能モデル事業（通称、「商店街オープン」。）」が2018年度に実施された。当事業では笠寺観音商店街、名古屋駅西銀座通商店街、西山商店街の3商店街が選定され、各商店街とも商店街で事業を始めたい人、リノベーションに関わる建築士、商店街のまちづくりに携わってみたい人、学生などが参加し、ワークショップを通じて事業プランを作成、その事業に対して市が補助金を出す（1商店街あたり補助対象経費の50％以内、限度額200万円以内）というプロジェクトで、当社はこれらの運営を支援した。　

　3商店街とも作成された事業プランによる工事費は、市の補助対象経費の限度額を大きく超えたため、当事業の規定もあって年度内に補助対象分の工事を終え、2019年度に入り引き続いて補助対象外の工事を進めている。笠寺観音商店街では地上3階地下1階の空きビルを地下階部分は日替わりシェフによるシェアキッチン「かさでらのまち食堂」、1，2階に民泊、3階はレンタルキッチン等にリノベーションし、名古屋駅西銀座通商店街では木造2階建ての長屋のうちの1軒を一日中モーニングが食べられる「喫茶モーニング」に、西山商店街では「ニシヤマナガヤ」と称してコンクリート長屋の1軒を焼き菓子、花、コーヒー等の専門店等が集まるスポットへと生まれ変わる予定である。奇しくも各商店街ともワークショップ参加者や学生にも呼び掛けて壁塗りをワークショップ、DIYで行っており、徐々に「みんなで育てる」機運が高まっている。
　2019年5月1日には「かさでらのまち食堂」と「喫茶モーニング」がオープンし、「ニシヤマナガヤ」は5月11日の地域のイベントに合わせて内覧会をして今年秋にオープンする予定である。引き続き、3商店街の動向に注目していきたい。