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スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定)  □[第297号]2011/11/21□ □配信数 789□


スペーシア・メールマガジンの第297号をお送りします。
名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。

<内容・目次>
  ◆まちのトピック◆
  ・都市住宅学会公開市民フォーラム「東日本大震災からの復旧・復興を考える」
  ◆住まい・まちづくりコラム◆
  ・ビジネス 考
  ・回覧板を考える〜地域情報の伝達方法〜
  ◆読者の声◆
  ◆スペーシアのこの頃◆

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◆まちのトピック◆−スペーシアに関わりのある出来事や皆さんからの情報を紹介−
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○都市住宅学会公開市民フォーラム「東日本大震災からの復旧・復興を考える」○

 今年度の都市住宅学会の大会が名古屋で開催されますが、そのメインシンポジウム
が東日本大震災をテーマに公開市民フォーラムとして行われます。
  工学系、社会科学系の専門家、行政の実務家が参集し、議論が行われます。

 会場は名城大の大きな講義室を使うので多くの方の参加が可能です。
市民の皆さまのご参加をお待ちしています。

【日時】2011年12月10日(土) 15:40〜18:10
【場所】名城大学天白キャンパス 共通講義棟北 1階 101講義室

【コーディネーター】相羽康郎(東北芸術工科大学教授)
【趣旨説明】    石坂公一(東北大学教授)
【パネリスト】   脇坂隆一(東北地方整備局建政部都市調整官):東北3県の復興計画
           鈴木浩 (福島大学名誉教授):女川町の復興計画策定
           島田明夫(東北大学教授):国のリスク管理と産業振興のあり方
           高田光雄(京都大学教授):神戸大震災からみた主要事業のあり方
           中川雅之(日本大学教授):復興計画のミクロ経済学的課題

※詳細は下記ちらしをごらんください。
http://www.uhs.gr.jp/chubu/kiroku/2011/111210/sympo.pdf

〜スペーシア・石田〜

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◆住まい・まちづくりコラム◆
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○ビジネス 考○

 テレビ東京系で放送されている「カンブリア宮殿」で11月に入り2週にわたり愛知、岐阜の
企業が取り上げられた。安城市に本社のある業界第3位ドラッグストア「スギホールディングス
(スギ薬局)」と大垣市に本店を置く「大垣共立銀行」である。
  前者は、杉浦会長(岐阜薬科大学卒の薬剤師)が小さな薬局を開業し、売上げが
伸びない状況でも、来店する客の一人一人の悩みを丁寧に聞き薬の調合していた。
それが徐々に話題を呼び、薬剤仲間と店舗数を増やし、約800店舗の巨大チェーンに
成長した。価格競争で勝負するのではなく、顧客の健康を第一にしたサービスの提供に
徹する経営方針を掲げている。今では、薬剤師の他看護師も抱え在宅医療の専門医師と
連携し、医師の処方箋をもとに薬剤師が薬を調合して在宅医療を受けている患者宅へ
届けるという医療分野でのサービスも展開している。
  後者は、土屋頭取が「銀行はサービス業だ。銀行員でなくサービス業の従事者」と言い、
コンビニのように気軽に立ち寄れる店舗をめざし、顧客目線に立ったユニークなサービス
(ドライブスルーATM、過疎地への移動銀行など)を展開してきた。今年1月の「日経金融
機関ランキング2010・顧客満足度調査」でネット銀行を除き第1位となっている。また、地方
銀行の存在意義を明確にし、販路の確保・拡大を図るための商談会を開催するなど地場
産業の支援、地域の活性化にも取り組んでいる。
  メインインタビュアーの村上龍氏は、スギ薬局の経営戦略を捉え「経済的利益よりも人と
社会への幸福への関与を優先することが結果的に利益に繋がる」と評し、また、「あらゆる
ビジネスが変化を迫られ、変化を促しているのは消費者だ。地方の方が危機意識が強く、
方向転換しやすい。大垣共立銀行の戦略は、ユニークな経営ではなく現代では正統なのだ」
と締めくくった。
  建築設計・都市計画コンサルタントは、当社を含め、公共の予算削減により厳しい経済
環境にさらされ、経営を維持するのに苦心している社が多い。しかし、このような時期だから
こそ、地域に根差すサービス業の本質が真に問われるのであろうことを改めて認識させられた
示唆に富んだ番組であった。 
(浅野泰樹)
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○回覧板を考える〜地域情報の伝達方法〜○

 今年、町内会の組長をやっているが、先日、回覧板が回って来ないということで、町内
会長と探しに行った。すぐに、ある家のポストで見つかったが、そのお宅はずっと留守に
されているようだ。こういうことがある度に、回覧板を回すというアナログな情報伝達手段が
早くデジタル化されれば大きく手間が軽減されはずだと思ってしまう。自治会活動は単なる
厄介ごとだと思っている人も多い昨今、こうした地域情報を伝えるための理想的な方法を
考えてみる。
  まず、回覧板で伝える情報の内容であるが、個人にとっての重要度はかなり低い。そもそも、
地域のコミュニティというものの重要度が低くなってきているから仕方がない。普通の人は
少なくとも4〜5くらいのコミュニティに属していると言われているが、それぞれにどれくらいの
時間属しているかでその重要度が分かる。一般的に最も重要度の高いコミュニティは仕事と
家族(親族)のコミュニティ、次に友人や趣味のコミュニティ、そして最後が隣近所の
コミュニティである。さらに、最近ではインターネット上のコミュニティも増加しており、ますます
地域のコミュニティにかけられる時間が少なくなるだろう。そこで、できるだけ時間を
拘束しない参加方法を考えないとますます地域コミュニティは衰退すると言える。
  では、私の町内で、実際に回覧板で伝えた情報を上げてみる。
1)総会、公園清掃の案内
2)年2回の町内会費の集金のお願い
3)町内運動会、防災訓練、ワークショプ等の案内
4)募金協力の案内
5)廃品回収の案内
6)自治会の活動報告 などである。
  この中でみんなが知っていてほしい重要な情報は1)、2)くらいで、下へ行くに従って興味の
有る人だけが見てくれればよい情報となる。回覧板は月1〜2回、年20回くらい回すので、
1)、2)レベルの重要な情報が入っているのは全体の1/4くらいだろう。インターネット上には
すでに自治会用に電子回覧板というサービスがあるので、この程度の情報量ならすぐにでも
デジタル化できる。
  日本の世帯のインターネット普及率は80%を超え、60歳以上の高齢者でも、男性では
50%以上がインターネットの使用経験があるというデータから、普及率やITスキルの面では
そろそろ電子回覧版の時代が来てもおかしくないと思えるが、よく考えるとそうでもない。
実際、わざわざ回覧板程度の情報、4回に1回くらしか重要な物がない情報を月に1〜2回
コンピューターの前に座ってサイトを開いて見にはいかいないだろう。これがメール配信と
なっても、興味のない情報は見ないので同じだ。逆にこれなら回覧板の方が「早く次の人へ
回さなければならない」という義務感がある分、目を通す可能性は高いと思える。
  現代は自分のために必要な情報、興味のある情報はそれなりのITスキルがあればかなりの
情報を手に入れられる。しかし、回覧板の情報のように、知っていてほしいが積極的に興味を
示さない情報を、手間をかけずにどう伝えるかというのはなかなか難しい。
  話は変わるが昔、母の実家の集落では有線放送という設備があった。地域の情報を役場が
1日2回くらい各戸に置かれたスピーカーから放送するというものだ。花火大会のお知らせや、
個人の冠婚葬祭の情報まで、さまざまなことを放送していた。放送時間も絶妙で、主婦が
食事の支度をする時間、12時前とか6時前とかだった。この時間は主婦の多くが家にいて、
炊事をしながら自然に情報が耳から入ってくるという具合だ。「ながらダイエット」という
ダイエット方があるが、これに似ている。わざわざ時間を取らなくても、TVを見ながら、
家事をしながらダイエットができます、というもので、地域の有線放送も炊事をしながら
「ながら聴取」で情報が得られるという利便性が地域情報を伝えるのにとても都合が
良いように思える。この「ながら聴取」を現代のライフスタイルに置き換えてみるのが
良いだろう。カギとなるのはTVである。各世帯のライフスタイルに合わせ、音声かテロップで
地域情報を流してくれるのがいいだろう。特に積極的に見たい番組がある訳でもなく、
なんとなくTVを見ている時に発信するのが理想的と思えるのだがどうだろうか。後で
確認できるようなサービスも同時にやった方がよい。これからのTVは積極的に見たい
ものは好きな時にネットにアクセスして見られるようになっていくだろうが、なんとなく
TVを見ている、つまり「ながら視聴」しているときの時間にどんな情報を流すかに可能性を
感じる。
(堀内 研自)

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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします)

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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・昨日「栄地区の魅力向上のための久屋大通の将来像に対する7大学提案」の展示を
  終了しました。20日間ほど展示しましたが、特に週末になると一般の方々が模型を
  見ている光景をよく見かけ、多くの方々に各大学研究室のバラエティに富んだアイデアを
  見ていただくよい機会になったのではないかと思います。

・メルマガの冒頭のバナーをちょい乗りバスのものに変えてみました。

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(株)都市研究所スペーシア 編集:浅野 健
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