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スペーシア・メールマガジン(隔週発行予定) □[第210号]2008/7/23□ □配信数 706□

 スペーシア・メールマガジンの第210号をお送りします。
 名古屋からの情報発信とともにまちづくりのネットワーク形成をめざしています。
今回、はじめて送信させていただいた方もよろしくお願いいたします。
 
<内容・目次>
  ◆視察レポート◆
  ・鞆の浦を訪ねて 〜2008年社員旅行in瀬戸内〜 」
  ◆図書紹介◆
  ・舟運都市 水辺からの都市再生
  ◆読者の声◆
  ◆スペーシアのこの頃◆

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◆視察レポート◆  −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○ 鞆の浦を訪ねて 〜2008年社員旅行in瀬戸内〜 ○

 今年の社員旅行の3日目に訪れたのが、広島県福山市の「鞆の浦」である。(社員旅行
1、2日目に訪れた直島・高松・金比羅山については、『直島・高松・金比羅山を訪ねて 
〜2008年社員旅行in瀬戸内〜』をご覧ください)

 鞆の浦は瀬戸内海のほぼ中央に位置し、このあたりで潮の流れが変わることから、かつて
沿岸航海が主流であった時代に、「潮待ち」の港として栄えた場所である。鞆の浦には、現
在も由緒ある古刹や史跡が数多くあり、昔ながらの町並みが残されている。また、鞆の浦周
辺は、1934年に日本で最初に制定された国立公園の一つである瀬戸内国立公園の代表的
な景勝地でもあり、鞆の浦から見る瀬戸内海や、周辺の弁天島、仙酔島の景色は非常に素
晴らしい。あの宮崎駿氏も社員旅行で訪れた鞆の浦を大変気に入り、「崖の上のポニョ」の
舞台になった(実際、2ヶ月間滞在して構想を練っている)とも言われている。
 鞆の浦には数多くの歴史的名所があることもあり、地元のガイドさんの案内で史跡を巡っ
た。そこで最初に訪れたのが「福禅寺・対潮楼」である。対潮楼(江戸時代に建立)は、本堂
に隣接した客殿であり、かつて朝鮮通信使の宿として使用され、文化交流の場でもあった。
客殿からは、瀬戸内海に浮かぶ弁天島と仙酔島が望め、その景色は一枚の絵のようで、非
常に印象的であった。また、この景色と同じくらい印象的であったのが、対潮楼からの眺めと
暦の関係について語っていた福禅寺の和尚さんである。話し方に独特のリズムがあり、その
語り口調はしばらく私の耳から離れなかった(どんな語り口調だったか気になった方は、鞆
の浦を訪れた際は是非、福禅寺へ・・・)。その他、国の重要文化財に指定されている「太田
家住宅・七卿落遺跡」や江戸時代から続いている地酒の保命酒屋、1859年に建立されたと
いわれる常夜灯などを回った。
 鞆の浦には、古くからの史跡や建造物、円形港湾など、かつての潮待ち港としての面影を
感じることが出来る貴重な景観が数多く残っている。ところが最近、交通渋滞の解消や利便
性を目的に、港湾に橋を架ける計画が持ち上がっている。常夜灯と瀬戸内海の間を道路が
通ったら、折角の風情ある景観が損なわれてしまうと思うのだが、ガイドさんの話では意外
にも地元住民の8割が架橋に賛成しており、反対意見の多数は外部から上がっているとのこ
と。しかし、既に反対署名は9万人を超えている。利便性を優先するのか、古くからの情景を
守るのか、今後の動向に注目したいと思う。(喜田祥子)

鞆の浦・仙酔島HP (http://www.tomonoura.co.jp/
 ※架橋問題に関する記事が2008年7月15日の中日新聞(朝刊)に掲載されています。

 →ホームページに写真を掲載しています。
  http://www.spacia.co.jp/Mati/sisatu/2008/tomonoura/index.htm

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◆図書紹介◆ −まちづくりに参考になるものを紹介−
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○ 舟運都市 水辺からの都市再生/三浦裕二・陣内秀信・吉川勝秀 編著 ○

 本書は、「舟運」というタイトルになってはいるが、内容的には河川、運河を中心とした水辺
の利用・活用全般を扱っている。まさに、国内各地で水辺を活かした都市再生が進められて
いる昨今の取り組みに役立つ本である。
 まず、世界各地の運河や河川など内陸水路を利用した舟運の事例や都市再生の事例が
多数紹介されている。ヨーロッパ、アメリカ、カナダ、アジア各国の運河利用、まちづくりが写
真を多数交えて紹介されているため、イメージが湧きやすい。特にヨーロッパの歴史的な建
物を背景にした水面や森の中を進むボートの絵などは、景観的な美しさも伝わり、つい運河
の旅に出かけたくなってしまう。(ただ、写真がモノクロというのが惜しい・・・)
 また、舟運の歴史的経緯も紹介されており、かつての人と水辺の関わり、都市と水辺の関
わりの中から、その魅力を知ることもできる。
 そして最後に、これからの舟運、水辺利用の提言をまとめている。
 本書を読んで、水と人・都市は切っても切れない関係にあるということがよくわかった。個人
的には、都市に水辺は必須だと思っている。それは景観的にも、自然生態系的にも、人間の
精神構造的にも。名古屋も堀川、中川運河という都市内水路を有しているが、悲しいかな、
まだまだ都市の裏側という印象である。本書に、水辺利用にはある程度までの水質改善が
必要条件であるとある。堀川、中川運河はまずその必要条件を手にすることから始めなけれ
ばならないのだろう。そうすれば、次のステップとして、この本書に紹介されているような利
用の道筋が見えてくるのだろう。(櫻井高志)

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◆読者の声◆ −みなさんからいただいた感想や意見を紹介−
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(みなさんからのご意見・ご感想をお待ちします) 

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◆スペーシアのこの頃◆ −所内の話題をちょっと紹介−
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・また発行日が2日遅れてしまいました。(本来は2008.7.21発行です)
 暑い夏で事務所のエアコンも壊れてしまいました。ようやく修理は完了しましたが、長い
 夏をどうやってのりきるかといったところです。

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を活用し、様々な意見交換等を行うことによって、より深いネットワークが形成
できればと考えています。 様々なご意見や情報もお寄せ下さい。このメールマガ
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