現在の位置:TOP>まちのトピックス>すまいまちづくりコラム>徒然随筆「岐阜県における近代建築01(旧岐阜県庁舎)」 WWW を検索 スペーシアサイト を検索

 
 
徒然随筆「岐阜県における近代建築01(旧岐阜県庁舎)」

 平成22年6月に、日本建築学会東海支部岐阜支所が主催する「旧岐阜県庁舎保存活用計画展」が開催されました。一般市民の参加もさることながら、NPO法人トラスト岐阜も参加意向を表明し、私が代表して参加することになりました。その後数回にわたり建築学会、岐阜大学、JIA、建築士会、NPO法人等が協議を重ね、ワークショップやイベント等を行うことにより、旧岐阜県庁の存在価値を高め、県民に認知してもらうよう活動を始めました。その一環でホームページも開設し、活動団体を「イカス旧岐阜県庁の会」と命名し、広報普及に尽力しました。
 旧岐阜県庁の特徴を概略すると、大正末期に完成した近代建築で設計は岐阜県営繕課、顧問として「矢橋賢吉(大蔵省営繕局技師)」と「佐野利器(東京大学教授)」が加わっています。内部ホールと階段には岐阜県産大理石を利用し、ホール窓には岐阜県ゆかりの風景を描いたステンドグラス、旧正庁のデザインなど現在では復元することが不可能な建造物です。また佐野利器が加わったことにより、耐震設計の震度法設計理論が活かされているといわれています。
 イカス旧岐阜県庁の会の活動を記すと、下記のとおりです。
平成22年6月6日〜13日;旧岐阜県庁舎保存活用計画展+講演会[てつめいギャラリー](日本建築学会岐阜支所主催)
7月11日(日);旧岐阜県庁舎保存活用計画展示[てつめいギャラリー](岐阜県建築士会主催;ぎふ建築士の日・フェスティバル)
7月23日(金);ワークショップ(柳ヶ瀬あい愛ステーション)
「旧岐阜県庁舎、残そう活かそう楽しもう パートT」
9月 5日(日);コンサート及びワークショップ(総合庁舎玄関、中央青少年会館)「旧岐阜県庁舎、残そう活かそう楽しもう パートU」
10月14日(木);旧岐阜県庁舎見学会(イカス(旧)県庁舎の会主催)
10月30日(土);(仮称)旧県庁舎等の近代建築に関する講演会(京都工芸繊維大学 教授 石田 潤一郎、)
平成23年5月14日;近代建築シンポジウム[てつめいギャラリー]
6月11日(土);講演&ジャズ・コンサート[総合庁舎ポーチ]

 以上の活動を通じて、平成23年5月以降、旧岐阜県庁舎は全面的に保存されることは困難なものの、正面の建造物は保存されることになりました。今後は一般県民を巻き込んで、保存と活用方法を提案・模索し、長く維持できることが必要です。

(2012.2.27/嘱託研究員・田中清之)
イカス旧岐阜県庁ホームページ
http://ikasu-gifu.jugem.jp/