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名古屋駅地区街づくり協議会 9/17講演会に参加して
  かねてよりこのメルマガで紹介してきている名古屋駅地区街づくり協議会であるが、9月17日に協議会主催による講演会があり、参加してきた。国内エリアマネジメントの先端を行く、東京は大手町・丸の内・有楽町地区(大丸有地区)で取り組む三菱地所と、日本橋を舞台に取り組む三井不動産の2社からの発表であり、名古屋駅地区のこれからの取り組みに非常に参考になる講演会だったと思う。
 大丸有地区は日本トップの事業所が集積するビジネス街、日本橋は江戸から続く由緒ある町人・商人街。ともに単体でも面白い地域だが、今回の講演会は比較して聞くことができ、さらに有意義であった。それぞれ日本最先端を目指す地区と、歴史を重んずる地区、目指すところも土地柄も、関わる主体(住民、企業、地権者など)のあり様も、全く異なるエリア、おのずと取り組みも組織形態も違っており、それらをうまく理解できた。
私が印象に残ったのは、両者の共通点である。まず、ともに、国際的な視点からまちを捉え、危機感を感じ、世界を意識して取り組んでいる点。それから、歴史資源を大切にしている点。例えば、100尺(31m)のスカイラインを活かしたり、歴史的建築の再現などに取り組んだりしている。さらには、個人的にはスマートな印象を持っていた両者であるが、その裏側には当たり前だが泥臭い部分があるという点。「全員の意見が揃うのは奇跡だ」という発表者の言葉が象徴的だったが、利害調整が必須のまちづくり、合意形成は至難の業だということ。ともに会員なり地元住民とのコミュニケーションの大切さを訴えておられ、「地元ととことん付き合うことから始めた」「みかえりを求めないで汗をかくことが大事」とそれぞれ話されており、地道な努力があってこその今の成果なのだということがとても実感できた。
 名古屋駅地区は立ち上がってまだ半年、これから一歩ずつコツコツとした取り組みがはじまっていくと思われる。是非応援していきましょう。
(2008.9.29/櫻井高志)