現在の位置:TOP>まちのトピックス>すまいまちづくりコラム>減災まちづくり一考 WWW を検索 スペーシアサイト を検索

 
 

減災まちづくり一考

 今月4月14日から平成28年熊本地震が発生し、先ほど国の激甚災害に指定されたところである。平成23年の東日本大震災から5年が経過した矢先に、今度は九州に新たに大きな被害をもたらし、改めて日本国内であれば地震はどこでも起こり得ることを印象付けた感がある。ここ1か月ほどで減災まちづくりに関してホットな情報を得る機会があったので紹介する。
 1つ目は、先月の3月19日午後に名古屋都市センターで行われた減災まちづくり研究会シンポジウム「減災まちづくり〜これまで、これから〜」の情報。第1部に基調講演、第2部に減災まちづくり研究会の成果報告、第3部にパネル討論が行われた。減災まちづくり研究会は、名古屋都市センターによって産官学民で構成される研究会として設置されたもので、南海トラフ地震などの巨大災害の発生を見据えて、広域及び地区レベル双方の視点から減災まちづくりに関する方向性や取り組みを提言しており、このシンポジウムで成果を披露された。個人的は基調講演の「仙台市における東日本大震災からの復興の現状と課題」に関心があり、簡単に紹介する。仙台市の場合、震災後の仮設住宅の8割以上が民間賃貸住宅を借り上げた「みなし仮設」で、しかも居住者の3分の1は仙台市外の世帯が利用していたということがある。このような状況は被災した東北の市町村の中では仙台市だけで、大都市ならではの傾向であろう。既存ストックの被災状況にもよるであろうが、大都市であれば民間の賃貸住宅ストックを活用しながら供給し、応急仮設住宅を供給する際にプレハブ住宅を作りすぎるのはよくないとの説明だった。さらに、復興に向けては、仙台市内の仮設住宅入居者のうち、市外から来た人の6割以上は仙台市内での住宅再建を希望しているという調査結果もあった。現実の避難行動は自治体の枠を超えて広域的に行われており、特に大都市は周辺市町村と比べて住宅ストックや都市インフラストックが充実していて被災者の受け皿になる可能性がある。被災をしてわかったことが、法制度の壁があって都道府県の権限が仙台市にないことによる問題や、被災した人々の給付の手続きが煩雑で時間がかかることなどが指摘された。東日本大震災から5年が経過して改めて現地での取り組みに学び、このような広域的な避難行動は名古屋での被災を想定した場合でも起こり得る現象であると思った。
 2つ目は、我が学区で各戸配布された「震災避難行動支援マップ」。区、消防署、NPOレスキューストックヤードの支援、名古屋工業大学大学院の秀島教授の監修の元、学区が作成したこととなっている。昨年からでも地震や風水害による被災が各地で出ていたこともあって、子どもが学校帰りにどのように逃げるか、家にいる時にどの経路をとって逃げたらよいかなどを話していた時に、このマップが配布された。自宅のある町内が学区の中でも最も安全なエリアなので、下校途中であれば学校ではなく自宅方面に向かって逃げること、町内の中でも自宅はやや低いエリアなので、土地の高い方向に逃げること、川の方には近づかないことなどを家族に説明した。このマップを見れば、災害時に自宅からどの方向に逃げたらよいかがわかり、正に話していたとおりの経路がこのマップに示されていた。
 減災まちづくりは、近年、地域におけるまちづくりの場でも必ずといっていいほど話題に出るようになっており、上記のような情報を地域で話題にしていくことを常日頃から心がけている。広域的な視点、地元の視点、様々な視点で日常から減災まちづくりも話題にしていくことの必要性を感じている今日この頃である。

関連ホームページ 
・名古屋都市センター「ナゴヤ減災まちづくりビジョン 〜巨大災害と復興に備える〜」
http://www.nui.or.jp/user/media/document/investigation/h25/vision.pdf


震災避難行動マップ


震災避難マップの裏側の面
(2016.4.27/浅野健)