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エコキャラとご当地キャラ
  先日ゆるキャラ(R)祭りが行われた。その模様は全国ニュースで大きく報道されるなど、ゆるキャラ(R)は今まさに一大ブームとなっている。火付け役は言わずと知れた「ひこにゃん」だが、その後、雨後の筍よろしく、各地でご当地キャラが続々と生まれるなどキャラクターを活用した地域振興が至るところで進められている。
 そんな中、弊社でも中部のキャラクター情報を収集、紹介するお仕事を先日頂いた。 対象は、話題のご当地キャラではなく、“環境”に関するキャラクター、通称エコキャラである。 愛知のモリゾー、キッコロは有名だが、富山のエコ侍、福井のリサイクル戦隊ワケルンジャー、長野のエコレンジャー、三重のゼロ吉、岐阜のヤマリン、名古屋のエッピー、ホリゴン、などなど・・・名前を挙げられても、「?」の人が多いだろうが、さっと調べただけでも50近くのリストが手元にできた。それらはプロによってデザインされたものから、手づくり感あふれるものまで多種多様。しかしメジャーになりきれず、地域密着で活動を展開しているものが多い。
  調べながら、ご当地キャラとエコキャラの違いを考えた。なんだろうか。大きく違うのはその目的。ご当地キャラは観光・産業目線での地域や商品、またはキャラ自身のPRを通して消費誘引につなげるのが大きな目的。一方、エコキャラは人々の環境行動を促し、地球を救うという大きな使命を背負わされているのだ。また、武器は、どちらもキャラの持つ“かわいさ”や“親しみやすさ”であるが、ご当地キャラはそれが消費と直結しやすく、
分かりやすい。「かわいいから買って」と言えればいい。しかし、エコキャラはそうはいかない。キャラが好きだからゴミを減らそうとか、かわいいからCO2を削減しようなんてことにはまずならない。では、なぜキャラなのか、それは学者や役所が正論かざして伝えると硬く拒絶されがちな環境行動を、キャラというクッション材を咬ませることで、アニメやマンガ感覚で理解し、遊び感覚やファッション感覚で実践してもらえるのではないかということがそのひとつだと思う。つまり、キャラ自体よりも、どう伝えるかというストーリーが大切になるのではないのか。例えば、理想は宮崎駿監督の映画「トトロ」や「平成狸合戦ぽんぽこ」のようなものなのだろうか。かわいい、親しみやすいキャラとともに、そのキャラを見れば自然と頭に浮かぶような素晴らしいストーリーづくりも必要なのではないだろうか。そんなことで、名前の割に結構難しい仕事だなあと思い当たった次第です。
(2009.12.8/櫻井高志)