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おかざき世界こども美術博物館
 「おかざき世界こども美術博物館」は岡崎市の郊外、岡崎地域文化広場という緑に囲まれた大きな公園内にある。この施設は昭和53年、愛知県による地域文化広場等整備事業の一環として、岡崎市が県に整備要望を行ったことをきっかけに事業がスタートし、昭和60年にオープンする。当時、世界で初めての本格的な子供ための美術博物館として構想され完成に至った。施設の特徴は参加型体験美術博物館というコンセプトにあり、単に作品を鑑賞するという施設にとどまってはいない。

 この施設は正確に言うと「おかざき世界こども美術博物館」と「親子造形センター」という2つの施設から成る。「おかざき世界こども美術博物館」では、年に5回程度の展示会を企画しており、ここでは子供たちが触ったり、動かしたりといった、実際に体感できる作品展示に力を入れている。「親子造形センター」では絵画教室、工作教室、粘土教室、EBアート(簡単な陶画作成)教室が開催され、専門家の指導のもと気軽に創造活動を楽しむことができる。製作にかかる時間は30分から2時間程度で、参加費用は100円から1000円程度となっている。

 これらの施設はオープン以来、毎年10万人を越す多くの入館者を記録しており、非常に人気の施設となっている。来館者は岡崎市内のみならず、周辺から子供会などが主催し、バスをチャーターしてやってくるそうである。また、多くの人が年に数回とか、毎年来るというようにリピーターになっているそうである。特に「親子造形センター」は、休日ともなると常にいっぱいの状態で、親子ともども、作品づくりに没頭する姿を目にすることができる。

 施設の運営は「おかざき世界こども美術博物館」は岡崎市、「親子造形センター」は岡崎市会館施設管理協会が行う。「親子造形センター」の各教室で指導にあたる方々は、主に定年退職した美術担当の教師だそうで、嘱託職員として平日も常駐している。運営上の苦労としては、マンネリ化しない内容の展示会や教室を開催していかなくてはならないことで、リピーターが多い施設として、飽きさせない工夫に気を使っているそうである。

 「おかざき世界こども美術博物館」は子供の創造力を育む施設として、全国でも先駆的な施設と言えよう。今後、新たな市民サービスを提供する公益施設として、多くの市町村で類似の施設が建設されるのではないだろうか。
(2004.4.1/堀内研自)