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久屋大通公園のクスノキの剪定

 先週から今週にかけて、久屋大通公園の北行き道路沿いのクスノキの並木において、大胆な剪定作業が行われていた。クスノキの頂上部の枝が数メートルほどバッサリと切り落とされて、頭頂部がスースーし、非常に寂しく見える状態になっている。昨年は南行きの道路でも同様のことが行われていた。弊社の事務所は8階にあるのだが、それとほぼ同じ高さまであった木が、切られて随分背が低くなってしまった。
 久屋大通公園は昭和30〜40年代に整備され、クスノキも相当な大きさにまで育っている。そしてこれからも生き物なのでどんどん成長するはずだ。都心にこれだけ大きな木があることは街の素晴らしい財産である。しかし一方で、管理する側からみると、枝が落ちた場合、高さがあればあるほど、危険は大きい。また、それを防ぐための作業も、大きくなりすぎると大変になる。街の中にある街路樹は、野山にある木とは違い、木の下には車や人が大勢通っているため、安全第一の上で管理されるべきものでなくてはならない。そのためにはやはり適度な大きさに木を収めることが必要になってくるのだ。
 確かに切ってすぐの状態は、非常にいびつで見栄えもよろしくない。しかし、木の生命力は強い。切られてもまた枝を伸ばし、成長してくれる。なので、何年か先にはまた美しい姿のクスノキに生まれ変わっているはずなのである。都市における街路樹とは、こうやって成長と剪定というサイクルを繰り返し、街と調和した大きさで保ち続けていくものなのだろう。今の姿にがっかりしている方もいるだろうが、長い目で見守ってあげる必要があるのだろう。

剪定されたクスノキ並木

(2015.2.20/櫻井高志)