現在の位置:TOP>名古屋まちづくり紹介>まちづくりあれこれ>名古屋市での舟運復活の動き WWW を検索 スペーシアサイト を検索

 

名古屋市での舟運復活の動き

 名古屋市では6月に、中川運河、堀川、名古屋港、また海を挟み七里の渡しで結ばれていた桑名をルートに想定した水上交通、舟運の運航復活を進めるべく「水上交通網推進プラットフォーム」を立ち上げた。民学官がメンバーとなっており、舟運の関する情報共有や課題、将来運航イメージの検討を行っていく。何度かの社会実験を経て、○年後には本格的な舟運を走らせたいという。
 名古屋市では、中川運河再生計画、堀川まちづくり構想がもうすぐ策定され、ようやく水辺活用に注力していくことになる。舟運をはじめ、計画が進めば、川という新たな魅力がまちに加わり、市民の関心も高まるだろう。
 かつて明治初期までは舟運は主要な交通手段であった。また現代のような治水のための堤防もないため、人々は川と正面から向き合っていた。川に向くことで、川沿いにある山や森をはじめ自然のこと、まちのことを今より多く理解していた。ある研究者は、日本人の自然観は川に堤防を造ったときに崩壊した、と言っている。また、川を見れば、そのまちの文化度がわかる、ともよく言われる。名古屋市の川は今どうか?
 舟運復活が観光やまちづくりのツールとして大いににぎわうことは当然期待することだが、同時に川と向き合い、自然を知る、まちを知るきっかけにもしてもらいたいと思う。

(2012.8.27/櫻井高志)