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福江地区 まちづくり会議立ち上がる

 渥美半島の先端近くにある田原市福江地区、旧渥美町の中心市街地である。スペーシアでは、そこのまちづくりに昨年度から関わっている。

 福江地区は、三河湾に注ぐ免々田川(めめだがわ)の河口に集落がまとまって形成されており、その河口部は港、集落の外は田畑が広がる農地となっている。港は、海運主流の戦前までは県内でも有数の物流の玄関口として栄え、集落の中心にある商店街も大変な賑わいを見せていた。しかし、その後のモータリゼーションの影響を受け、多分に洩れず、今では商店街はすっかり寂しい姿に変わり果て、人口も徐々に減少しているといった厳しい状況に立たされている。

 福江地区を含めた旧渥美町では、こういった状況を打破し、明るい将来を築くためにと、これまでも商工会や校区、または各種市民団体などによるいろいろなまちづくりの動きがあったが、中々実を結んでいなかったようだ。そんな中、この平成19年6月、行政からの呼びかけからではあるが、公募で選ばれた市民や地元自治会関係者など二十数名が参加したまちづくり会議(正式名称、「福江地区まちづくり会議」)が発足した。その目的は大きく、福江地区の活性化である。当面の活動は、活性化に向けたビジョン作成を行うこととなっているが、単に計画策定のための住民参加の場にとどまることなく、そのアクションも含めて地区全体の牽引役としての役割も期待されており、この会議の成功如何が地区のまちづくりの命運を左右すると言っても過言ではない。

 そんな期待大きい組織だけに、今後どういったふうに参加している住民が主体性を発揮し、行政と協力し、さらに地区全体を巻き込んでいくのかが、大きな課題と言えるだろう。つまり滴を集めて、流れを生み出し、徐々に周りを集めながら最後には地区を支える本流とまで成長していくことが求められているのだ。こういった組織の出発にあたっては、誰もが思うひとつの理想形ではあるが、福江地区はまだ出発点である。今後どうなるか、期待したいし、関わるコンサルタントとしても、腕の見せ所が大いに求められているのではなかろうか。乞うご期待。

 (2007.8.20/櫻井高志)