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大須301再開発ビルの運営システム構築のための活動が始まる 
 大須30番第1地区市街地再開発事業は、4月27日に施設建築物新築工事の安全祈願祭が行われた。権利者や事業関係者により神事が行われた後、名古屋市長をはじめ、約110名の関係者を招いての式典が開かれた。再開発組合の松下理事長は、あいさつの中で「準備組合より約4年、再開発の話が浮上してから約10年、決して楽な道のりではありませんでした」と回想し、また「来年の年末商戦には、仮称ですが大須中華街や大須でがんばりたいと願う中小小売業者が結集する名古屋の名所となる商業施設・大須バザールを誕生させる予定です。(中略)今後も引き続き権利者は、一丸となって、明日の大須を夢見て、事業に邁進してまいります。」と力強く語った。

 長年にわたって進められてきた大須30再開発は、権利者が住みなれ、営業してきた建物を取り壊し、この式典を契機に、ようやく本格的に再開発ビルの建設に取りかかることとなった。

 これまで、事業推進役の組合役員等の献身的とまでいえる努力なくして今日はなかったが、権利者間の調整に多大なエネルギーが費やさ、再開発の本当の目的である「再開発ビル・まち」の維持・発展のためのシステム構がなおざりにされてきた感は免れない。理事長が語るように、ビル竣工までに、そのシステムを権利者が一丸となっていかに構築するかが鍵であろう。これからが、まさに大須再開発の真価が問われることになる。特に大須30再開発は、大須の伝統を生かし、中小小売業者が結集する活力ある商業施設の整備が目標であることから、商店街運営と同様に、再開発ビル内の営業者による共同体をいかに確立するかが重要となる。

 再開発組合では、合意形成に主力をおいたこれまでの組織を再編し、権利者全員参加のもとに、ビル管理やテナント運営を検討する会の設置を足がかりに、夏以降に募集するテナントをも巻き込んだ体勢づくりを精力的に進めようとしている。大須商店街活動のこれまでの実績と蓄積を生かし、権利者自らの創意工夫により、新しい再開発ビル繁栄のためのシナリオとシステムを構築していくことに期待したい。
(2002.5.1/浅野泰樹)