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歩いて暮らせるまちづくり
−三重県桑名市−
 「歩いて暮らせる街づくり」は小渕内閣の経済新生対策(1999年11月)において位置づけられたものであるが、2000年度20地区、2001年度10地区のモデルプロジェクトが指定され、桑名市もその1つに選ばれた。

 桑名市は、名古屋市への通勤圏として大規模なニュータウン建設が行われ、人口増加の著しい都市であるが、一方で、城下町、宿場町の歴史を有し、昔ながらのコミュニティがあるとともに、中心市街地には市役所などの公共施設がコンパクトに集積し、歩いて暮らせる街としての条件を備えた町でもある。中心市街地の商店街の衰退が問題となる中で、中心部にある寺町商店街は元気のある商店街としても知られるところである。
 桑名市の中心市街地においては、歴史的な環境を活かした歴道事業や駅西の区画整理事業など各種の事業が行われてきたが、必ずしも中心部の将来像への共通認識のもとにそれぞれの事業がすすめられてきたとはいえない状況にあった。また、ハードとしての整備はすすみつつも、それを使いこなすという点では不十分であった。

 歩いて暮らせる街づくりはこれまでバラバラに行われてきた各種事業を統一したコンセプトのもとで進めるとともに、まちをうまく使いこなしていこうというものであり、市民が主体になって進めていくことを意図している。昨年度は、「水のめぐみ」をテーマとしたマップづくりが市民とともに行われた。
 今年度は昨年度の取り組みを市民に報告するとともに、まち歩きによって桑名の魅力を発見しようという「まちなかウォーキング&シンポジウム」が7月に開催された。歴史的な建築物である六華苑を会場に、桑名歴史案内人の案内によってまちなかを歩き、その後「歩いて見つける桑名の魅力」をテーマとしたパネルディスカッションが行われた。

 この場で秋に大山団地から城下町までを歩く「桑名ワンデイウォーク」の企画が紹介され、実行委員会への参加が呼びかけられた。このイベントは、歩いて暮らせる街づくりの実現にむけた実践的な取り組みとして、ニュータウンと旧市街地とを結びつけ、ニュータウンの人を旧市街地へ、旧市街地の人をニュータウンに目を向けさせることをねらいとするものである。
 この呼びかけに市民参加による実行委員会が立ち上げられ、企画を煮詰めているところであるが、「地元との交流を中心とするまちづくり系ウォーキング」「様々な活動をしている人をウォーキングを通じてつなぐ」「様々な要素を組み合わせることで多様な人々が参加できるようなものにする」などのコンセプトが提示され、これまでにないウォーキングの実現を目指している。第2回目の実行委員会では、実際に大山田団地から城下町まで歩いてコースの検証も行われた。
 今後、様々な人々を実行委員会に巻き込みながら、ユニークでかつまちづくりの実践に結びつくようなウォーキングを実施すべく、検討を進めているところである。
 ウォーキングの開催は11月10日の日曜日。桑名市の新しい取り組みに注目したい。

まちなかウォーキングへの出発


六華苑でのシンポジウム


 ワンデイウォーク実行委員会による試歩会


試歩会でのウォーキングクリニック


(2002.9.9/石田富男)