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地区総合整備
 地区総合整備とは、1980(S55)年に策定された名古屋市基本計画において位置づけられた名古屋市独自の取り組みであり、公共施設の未整備地区や老朽木造家屋密集地区などにおいて、地区特性に応じた各種事業・規制・誘導手法を効果的、積極的に展開していくとしている。当初9地区が位置づけられ、その後3地区が追加された。さらに、1988(S63)年の名古屋市新基本計画では、21世紀に向けた新たな都市づくりが可能な拠点地区なども加え、全部で26地区を位置づけている。このうち、14地区で事業が実施されている。

●大曽根地区(北区)

(1)大曽根商店街地区

 大曽根商店街は大曽根土地区画整理幕ニ61.2ha区域内にあり、大曽根駅の西側に広がる。名鉄瀬戸線の都心乗り入れにより衰退の一途をだとっていたが、再生に向けて整備が進められている。

 大曽根商店街のうち、西半分のOZモールは全国的にも有名で、正面を三角屋根にするなどのまちづくりルールを設定し、一斉移転、協調建て替えによってH元年に整備された。この日は土曜日なのに人通りが少なく、買い物客より視@で訪れる我々の方が多いほどだった。

 また東半分のうちOZモールと国道19号に接する街区は住・都公団が参画し、優良再開発事業で整備されている。アーケードの残る4街区では市街地再開発事業が予定されているが、事業化には至っていない。このアーケードももうすぐ取り壊され、大曽根商店街からアーケードが全て消滅する。

(2)大曽根北地区

 大曽根北地区は密集住宅市街地整備促進事業と土地区画整理事業の合併施行により整備が進められている。これまでコミュニティ賃貸住宅(コミュ住)89戸、ワークショップ手法を導入して子どもの遊び場2ヶ所(山田ふれあい緑地と六郷北がったい公園)、六郷北コミセンが整備済。

 国道19号は、今年度は地下の公共施設整備を先行し、道路拡幅は来年度に着閧キるという。コミュ住は@東西に窓がつけられる、A名称が「○○荘」ではない、という点で一般の市営住宅とは異なっているとか。特に19号沿いの大曽根北シティ住宅(地上権設定方式で9階建て、従前土地所有メとコミュ住が共存)は外装がタイル張りで、見栄えのする建物である。地区内には若干、老朽住宅や写真のような旧挨路地も残っている。


●築地地区(港区)

 市の外縁拠点として築地から金城ふ頭に至る地域でウォーターフロント整備計画が位置づけられるとともに、名古屋港、中川運河、堀川に囲まれたエリア(約250ha)で地区総合整備地区としての位置づけもされた。地区内を南北に横断する江川線の拡幅(事業中)、築地第一種市街地再開発事業(合併施行によりコミ住30戸建設)、浜地区における密集住宅市街地整備促進事業が行われている。

 大曽根北地区とは違い、老朽住宅の整備等はこれからといったところ。道路整備については、地区内の西築地小学校の西側を南北に走る既存の道路をコミュニティ道路として、生活道路として2路線が整備済とのことである。この他の生活道路や集会施設等の公共施設が未整備で、大曽根北と比べると整備が遅れている。


(1998.6.2/浅野 健)