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城北線 歴史歩き/大下武 著

大巧社/2007年6月

 「城北線」をご存知だろうか。春日井市勝川を起点に清洲市枇杷島を結ぶ全長11.2kmの単線で、名古屋市北部の東名阪自動車道(環状2号)に重なるように走る。当初(昭和51年)は、瀬戸から高蔵寺、勝川、小田井、稲沢を結ぶ鉄道として計画されたが、国策等の事情から現在の勝川〜枇杷島間の運行となっている。線路は、東海旅客鉄道株式会社(JR東海)が所有し、運営は株式会社東海交通事業所に委託されている。本書は、そんな城北線の歴史とともに、計6つある駅の周辺と沿線の歴史、文化、風習等様々な情報を掲載している。
 城北線に使用されている列車は「キハ11形」という形式で1両運転でき大出力エンジンにより、見かけによらず走りが軽快らしい。しかし、城北線勝川駅はJR勝川駅の駅舎から少し離れており、この乗り換えに関してはあまり軽快とはいかないようだ。
 本書の歴史歩きの出発はその勝川駅で、春日井市のみどころとして小野道風生誕伝承地が紹介され、勝川駅前の再開発ビルや勝川駅前通商店街の風景も掲載されている(勝川再開発の話題も掲載されている)。勝川を出て順に「味美」、「比良」、「小田井」、「尾張星の宮」と続き終点の「枇杷島」まで、都市の歴史、由来、見所などを著者自らの取材をもとに紹介している。一読するだけでも列車の旅をした気分に浸ることができる。
 城北線は、業務で勝川に出かけるといつも目にするが、その昔、上司とともに乗車して本書にも出てきた尾張星の宮駅で下車、キリンビール名古屋工場のビアホールに出かけたことを思い出す。後にも先にも乗車したのはそれ1度きり。時間があれば本書をガイドブック代わりに沿線探訪するのもいいかもしれない。

城北線HP http://www.tkj-i.co.jp/map.html

 
(2007.6.11/(村井 亮治)