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「住みたいまちランキングの罠」/大原瞠 著
光文社新書/2018年3月20日発行

  住みたいランキング上位のまち、子育てのしやすさ・安全安心などを自治体がアピールするまちに、さまざまな誤解や「不都合な真実」があることが丁寧に解説されている。不動産広告や自治体間競争などの背景も知ると、ランキングはあまりあてにならず、受益者負担の原則が脇に置かれ財政悪化している自治体もあるという考えを納得できる人も多いと思う。
 また、不動産業界最大の「不都合な真実」かもしれないと著者が考える「マンション購入は賃貸生活よりも得」の真偽も検証されている。「ローン返済は月○万円から。今の家賃と比べてください」といったマンション販売広告には自身も違和感を覚えていたが、不動産会社は積極的に教えてくれないが持家でも固定資産税などの「隠れ家賃」が必要という表現は非常にわかりやすい。
 本当に住みやすいまちや地域づくりとは何かを再考するきっかけになればという著者の想いが伝わる一冊で、是非手にとっていただきたい。

(2018.4.2/山崎 崇)