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外断熱は日本のマンションをどこまで変えるか/山岡淳一郎 著

日本実業出版社 2002.11発行
 区分所有法の改正、マンション管理適正化法及びマンション建替え円滑化法の制定など、マンションをとりまく環境は、近年大きく変化してきている。その発端には阪神大震災による被災マンションの復旧があるが、法制度がされたことで、マンションの良好な管理やスムーズな建替えといった既存マンションが抱える課題に対処していく仕組みは構築されつつある。しかし、果たしてそれだけでいいのか?

 本書は、そんな疑問の一つとなる構造的な問題「内断熱」に着目し、その問題を解決することで、マンションは大きく変わることができると記している。国内マンションの99.9%が内断熱により施工されている。これによる様々な弊害、人体への影響、ランニングコストの増加、マンション寿命の低下…etcがあることを統計資料等を基に解説している。現実にマンションに住む者として大きな不安となぜ外断熱が普及しないのかという疑問が膨らむ。その答えとして施工上の問題や規制(国の見解)など、様々な視点で書かれている。だが、外断熱にも当然一長一短があることも示した上で、近年ではその問題を克服し、実際に外断熱によるマンションや福祉施設、病院などが施工され始め、今後の普及に光が見え初めてきたことも紹介している。
 これからのマンションには「外断熱」が普及し、近い将来、外断熱のマンションで快適な生活ができることに期待したい。
(2003.5.27/村井 亮治)