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 旅する新虎マーケット

  先日東京へ訪れた際に、かねてから気になっていた「旅する新虎マーケット」という場所に行ってみた。
初めてこの名前を耳にする方にとってはあまりピンとこない名前だろう。この「新虎」とは、このマーケットがある場所「新虎通り(環状二号線(新橋〜虎ノ門)地上部道路の愛称)」から取ったもので、この新虎通りとは、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピック(以下、東京オリパラ)の際に、メインスタジアムと選手村とを結ぶ重要な道路の一部として位置付けられている。そして「旅する」とは、日本全国津々浦々、地方都市の魅力を紹介するマーケットであることを意味している。つまり「旅する新虎マーケット」とは、東京オリパラをうまく活用して、日本の地方都市の魅力を世界中の人々に知ってもらおうというシティプロモ―ションの取組みなのである。
  このマーケットの面白いところは「全国津々浦々」と書いたように、PRに参加する3〜5の都市が3か月ごとに設定されたテーマに合わせてどんどん入れ替わっていくところや、それと関係してか、マーケットの施設が1つだけではなく、新虎通り沿道(のおよそ150mくらいの幅の中であろうか)に7つの建物が点在しているところである。食を楽しめる「旅するスタンド」は4カ所あり様々な都市の味を選ぶ楽しみがある。他にも特産品を購入できる「旅するストア」、お茶ができる「旅するカフェ」、イベント開催などで使う「旅するラボ」といった簡素だがオシャレな雰囲気の小さな建物がそれぞれ離れて建っており、通りを歩いて店舗を見るだけでも賑やかで楽しい気分になる(さすが「東京のしゃれた街並みづくり推進条例」に基づく街並み再生地区に指定されているだけのことはある)。ちなみに私が訪れた際は、1月〜3月期として「明の春と開化(明治改元150年)」と銘打って、萩市、松山市、薩摩仙台市の3都市がPRに参加していた。迷った末に萩市の食「萩の瀬付きアジフライ定食」を食べたがとても美味しかった。店のスタッフに聞いたところ、外国人のお客さんは全体の1割程度だろうかということだったが、現時点でも決して少なくない数値なのではないだろうか。東京オリパラ開催時には海外からの旅行者がもっと沢山利用することだろう。
 2020年の東京オリパラ後名古屋市でも2026年アジア競技大会が控えており、これを機に自らの都市のシティプロモーションを!と考えている自治体も多いだろう。はたして名古屋のまちに「旅する名栄マーケット」なるものが登場するだろうか。今から楽しみである。

・旅する新虎マーケット
https://www.tabisuru-market.jp/


「旅するストア」で特産品を購入できる

旅するスタンド(松山市)

「旅するスタンド(酒)」の奥に萩のスタンドがみえる


「旅するスタンド(萩)」の食メニュー
(2018.2.13/大河原章介)