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三条あかり景色 2005 
 ようやく秋の風が吹き出した三連休に京都を訪れた。「三条あかり景色2005」は、京都市の中心部を東西に走る三条通に点在する歴史的建造物などの外壁をスクリーンにして映像を照らし出すという試み。京都でまちづくりに取り組む「楽洛まちぶら会」が企画し、昨秋に次いで2回目の開催である。三条京阪の複合商業施設「KYOUEN」から、三条通烏丸西入の文椿(ふみつばき)ビルヂングまでの約1キロの街並みにおいて、アーティストの映像作品や京都の映画のまちづくりに関するプロモーションビデオ、昔のまちなみの映像などが50か所の建物に照らし出された。また19〜22時の間、京都文化博物館別館や中京郵便局、日本生命京都三条ビル旧棟、アートコンプレックス1928ビル、三条名店街商店街のアーケード、三条大橋などが色とりどりにライトアップされた。普段とは異なる表情の街をそぞろ歩くのが楽しい。

 このイベントは今年で8回目を迎える京都国際学生映画祭の関連イベントであり、多くの学生ボランティア(昨年は180名)により運営されている。大規模な建造物のライトアップは松下電工が担当するなど、企業や各種団体のサポートもあるようである。映像を映し出すスクリーンが凹凸や装飾のある壁面であるため、映像そのものはあまり鮮明でなく、また神戸ルミナリエや広小路ルネッサンスのような華やかさはない。しかし、会場ではそろいのTシャツを着た学生達が、プロジェクターなどの機材を操作したり、交通整理や清掃をしたり、みな声を掛け合いながら実に楽しそうに活動しているのが最も印象的だった。文化博物館の前は普段でも通行人と一方通行の狭い道に入り込んでくる乗用車で混乱する箇所なのだが、そこでは二人の男子学生が「車に気をつけて歩道に入ってくださ〜い」とのどをからして呼びかけ続けていた。始まったばかりのこのイベントを成功させよう、継続させようという必死の思いが伝わってきた。そんな「三条あかり景色」を今後も見守っていきたい。


ライトアップされた文化博物館     

映像を見ながら歩く
 (2005.9.20/(西村 郁・元スペーシア研究員)