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「旧丸ビルの再生」の話題から

 少し以前の話題になる が、昨年の11月初めに東京への出張の際、建替えられた「丸の内ビルディング」を訪れた。オープンから2ケ月しか経っていないこともあり、ビル内は多くの人で賑わっていた。また、これまで東京駅はよく利用するがその周辺に足を運ぶということは殆どなかったが、丸ビルが駅正面にあり移動の合間の時間調整も兼ねて訪れた。こうした"ちょっと時間潰しに"という人もこの賑わいの要因らしく、新たな客層の呼びこみにも成功している。丸ビルは、基本的にはオフィスビルだが、下層階へのショップの導入が話題の的のようだ。また、上層階の高級レストランは暫く予約で満席という盛況ぶりだ。ただ、高層ビルにありがちな"展望フロア"はなく、上層階への直通EVにはご丁寧に「展望フロアはございません」と掲示されていた。しかし、地方人の悲しい習性でついつい昇り、フロアのちょっとした吹抜け空間から東京の夜景を一望してきた。

 ここ名古屋では東京のような大規模な商業開発も少なく、また新しい商業空間もローコスト化が全面にだされたものが多く、それほど魅力を感じるものはなかった。そのせいか、丸ビルのアトリウムを配したゆとりのある空間やフロア内装などをみて、改めて東京での(再)開発の勢いのようなものを感じた。

 今回の丸ビルも含めて東京での(再)開発ラッシュはまだまだ続くようだ。東京駅からすぐ近くに比較的新しい「東京国際フォーラーム」があるが、ある業界紙で、"そのフォーラムのあるエリアの開発を進めるため施設取壊しも視野にいれた検討が"という記事も目にしたことがあり、あれを取壊してまでも開発するのかと驚いた。常に(再)開発の話題が絶えない東京。世間が不況といわれている中でなぜ?と考えさせられるが、それでも計画が立ち上がり現実的に動き続けていることに感心する。再開発に携わる者としては、そうした計画の推進方策や手法などが興味深く、機会があれば色々と情報収集してみたい。


 (2003.1.22/村井 亮治)