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世田谷情報ハイウェイにおける商店街の取り組み
 世田谷区は平成7年度より「より質の高い区民サービス、新たなコミュニティの形成、地域の活性化」を目指した新たな情報システムの確立のため、インフラの構築(ハード面)とアプリケーションの構築(ソフト面)について検討する世田谷情報ハイウェイ構想を掲げている。
世田谷情報ハイウェイは、光ファイバー等による「次世代の情報通信ネットワーク」と、それを利用し「誰もが使いやすいアプリケーション」を行政・民間によって各家庭に展開する住民サービスである。「いつでも、どこでも、誰もが、安価で、簡単に」の考え方を基に、「各種アプリケーションの開発」「情報通信ネットワークの整備」「端末の普及」のため、官民一体となった検討・実験・検証している。

 そのなかのコンテンツで、商店街の活性を狙いとした「ライブショップ」がある。家庭にいながらにして、遠隔操作で買い物ができるシステムである。実験のモデルは、三軒茶屋にある太子堂商店街の魚屋さん「池田屋」である。
 店内にあるカメラが、自宅のパソコンで操作でき、陳列されている商品をみることができる。時間帯によっては店員による「本日のおすすめ品」の紹介や、マグロの解体ショーなどをライブで楽しむことができるもので、それらのアプリケーションを通して、お客さんが自宅で注文をして商店街に足を運ぶという仕掛けである。
 現在は商店街の中の魚屋だけであるが、主催者側によると今後は、通りにある八百屋や花屋、さらにはライブハウスにスポットをあてて、カメラを取り付けていくとのことである。
 果たしてこのような実験が、店側と消費者側の生活に反映されるかどうかは分からない。しかし、昨今の商店街の衰退が叫ばれるなか、最先端の技術を駆使して、商店街をエンターテイメント化していくということは、商店街のポテンシャルを探る意味でも重要である。 今後は、商店街と行政、そして民間の業者が足並みを揃えて、実験・検証を行い、どのような着地点を見いだしていくかどうかが鍵となるだろう。
 名古屋市内にも特徴をもった商店街がある。今後、ITを使いどのようなアウトプットが考えられるだろうか、さまざまな視点から探っていきたい。 

 (2002.1.28/藤澤 徹