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渋谷「東大門市場」登場の話題から
韓国「東大門市場」視察(1999.12)
 この秋、東京渋谷の街にまた新たなスポットが誕生した。韓国でも人気のエリア「東大門市場」のショップをそのまま持ちこんだものらしく、若者の街渋谷にふさわしくこれまでとは違った新しい商業空間が創出された。
 今回の渋谷はまだ訪問していないが、今から1年ほど前、本場韓国の「東大門市場」の話題を聞き視察に訪れたことがあり、渋谷での話題をきっかけにその時の様子を思い出しながら報告をしたい。

 「東大門市場」は「南大門市場」とともに韓国の在来市場のある人気スポットで、南大門市場が韓国食文化が堪能できるエリアであるのに対し、東大門はファッショの最先端?にふれられるエリアである。韓国国内はもとより台湾、中国、日本のバイヤーが買い付けに訪れている。
 エリア内にはいくつものファッションビルが建ち並ぶ。ビルのフロアには2〜3坪のブースが通路を挟んでいくつも並び構成されている。古いビルともなれば狭い通路にも商品が積まれ人一人が通るのがやっとという状態。大量の繊維に囲まれ、もしここで火災でも起きたらと思うとぞっとする。
 韓国では、近年そういったファッションビルの建設が相次いでいる。新しいビルは明るめのライティングやBGMが流れ、若者受けする商業空間となっている。ビル内は、レディス・メンズファッション、靴、カバン、アクセサリーなどの売場が、フロアごとにまとめられているが、1フロアには200以上のブースが並び、全てをみるのは大変。
 この市場の最大の特徴は、営業時間が明け方近くまで及ぶことにある。特に夜間はバイヤーが大型バスで買い付けに来ており、ビル内は勿論エリア全体に人が溢れている。視察したのは12月の中旬で、この時期の韓国の夜は肌をさすような寒さだが、その活気ある光景は寒さを忘れるほど。
 単なるファッションビルの集積地ではなく、アジアのファッションの発信地としてここ東大門は今後も発展し続けるだろう。東大門も渋谷も街に活気と賑わいは絶えない。しかし、渋谷は華やかなショッピングゾーンとしてのイメージだが、東大門は単なるショッピングゾーンという感覚でいくとギャップを感じる、商売人もそこへやってくる人も気合が入っており、とてもエネルギッシュで刺激的な印象を受けた。渋谷に登場したそれは、日本流に多少アレンジし直されているようにも見受けられるが、渋谷の人の流れを変えるとも言われている。本場の雰囲気をどこまで演出し、活気ある空間にできるか、一度足を運んでみたい。
 
   (2000.11.24/村井)